第67回春季四国地区高等学校野球大会高知県予選展望
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夏の「明徳義塾5連覇阻止」へ向け挑戦権巡る激戦に注目!
センバツでも優勝候補の一角にあげられ、現在夏の高知大会4連覇中の明徳義塾。この強大なる敵の5連覇を阻止し、夢の甲子園に到達する術を探る。29チーム32校(高知高岡・窪川・中村高校西土佐分校・城山は合同チームを結成)が参加する「第67回春季四国地区高等学校野球大会高知県予選」の焦点はこの1点に絞られるといっても過言ではないだろう。
春の高知県王者。そして4月13日(日)・[stadium]高知県立春野運動公園野球場[/stadium]で10時から明徳義塾との間で行なわれる「チャレンジマッチ(春季四国大会順位決定戦)」出場権を賭けた抽選会は3月9日(日)県高野連主催センバツ壮行会が挙行された明徳義塾高で実施。例年通りフリー抽選で決まったやまがたを、まずは抽選番号1から7のブロックから見ていきたい。
東野幸哉(高知東工)
抽選番号「1」を引き、2回戦からの登場となる宿毛は、豊かな山と海に囲まれた幡多地区ならではの高い身体能力を誇る三宅 良太投手(3年)、滝口 雄中堅手(3年)などが中心。ただし初戦は昨秋1番から8番までを左打者でそろえ、1回戦では伊野商に快勝した同地区のライバル高知中村と、スイング力には定評のある須崎の勝者が相手。一筋縄ではいきそうにない。
さらにこのブロックにはエース・筒井 裕也(3年)、主将・野川 竣平遊撃手(3年)を中心とした「結束力」で昨秋四国大会初出場を果たした高知追手前なども。ベスト4への行方は混沌としている。
「8」から「14」のブロックは大会屈指の激戦区となった。今年2月に角田篤敏監督が退任。今大会は重兼知之監督、西内友広部長の新体制で臨む高知中央は、部員10人ながら昨年4月、室戸を2007年センバツベスト8に導いた横川恒雄監督の就任後、実力をメキメキと上げている梼原と激突。
一昨年10月に育英(兵庫)から転校し、これが高知中央で初の公式戦となる坂田 直輝遊撃手(3年・主将)が「実際は新チーム結成時から主将を務めていた」(西内部長)リーダーシップをいかに発揮できるかが、勝敗のかぎとなるだろう。
また、県西の豪腕・細川 和晃(3年)擁する室戸も、準々決勝で高知を完封した185センチ右腕・東野 幸哉(3年)の活躍と、ミートバッティングで昨秋県大会準優勝の高知東工と対戦。その勝者は2回戦から登場、2年生右腕・横田 優輝と、県内屈指の右打者・股川 翔任右翼手(3年)が軸となる岡豊とぶつかることが決まっている。
やはり気になる昨年選抜ベスト4の高知の動向
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酒井祐弥(高知)
この2ゾーンとは逆側、抽選番号「15」から「21」までに目を転じれば、やはり気になるのは高知の動向である。この冬、島田達二監督はメンタルと同時に守備面での基本徹底に着手。またエース・酒井 祐弥(3年)も、昨春からおざなりになっていた出どころがわかりやすい投球フォーム改善に取り組んだ。
結果、キャッチングと二塁送球の安定度が格段に増した川上 翔太(3年)はじめ、各人が着実にレベルアップ。高知としては昨秋ベスト8の土佐塾が待ち受ける2回戦、180センチ右腕・島田 淳(3年)が柱の高知商と、190センチの長身から回転のいいボールを投げる安藤 本氣(3年)の開花が待たれる高知西との勝者が勝ち上がると思われる準々決勝で成果を積み上げ、明徳義塾への第1挑戦権を手にしたいところだろう。
最後の「22」から「29」ブロックでは今大会はエース・片岡 昴太朗をけがで欠く昨秋ベスト4の高知東、一昨年秋には準々決勝で明徳義塾を下す大ジャイアントキリングを演じた高知南。昨秋初戦敗退の悔しさを胸に、センバツ経験者の久保田 周(3年)、南 武志(3年)のバッテリーで勝負する土佐などが注目校。特に高知南と土佐の1回戦直接対決は接戦の予感が漂う。
そしてもう1つ。今大会は夏のシード権を巡り、様々な思惑も含んだ大会となりそうだ。
というのも、これまでは8月下旬開催の新人大会から5月下旬に開催される県総体までのポイント換算を基本に第4シードまである夏の大会シード権を決定する独特のシステムを採用してきた高知県であるが、理事会参加複数関係者の話によれば今後、新人大会及び県総体の勝敗はポイントから除外することも検討中とのことだからだ。
正式な方向性は4月以降の理事会で決まる模様だが、状況次第では今大会の勝敗によって、夏の高知大会シード権が確定する可能性も含んでいる。
それを前提にした上で、新人大会、昨秋と今春の県地区予選・県大会・四国大会勝利数をポイント換算(新人大会は支部予選勝者からポイント付与、県大会からの出場は2ポイントから。秋の県大会3位決定戦勝者にはポイント付与なし)し、センバツ出場校には春5ポイントを付与する大会シード算出法に倣えば、現時点でのポイント順位は以下の通りとなっている。各校が順位決定戦に勝ち、なおかつ春季四国大会を制覇した際の最大ポイント数も明示したので、ぜひ参考にしてもらいたい。
1位:明徳義塾 17P(最大21P)秋季県大会優勝 *センバツ出場ポイントは付与済み
2位:高知 8P(最大17P)新人県大会優勝
3位:岡豊 7P(最大15P)ベスト4入り1回 *春季大会2回戦から、ポイント付与済み
4位:高知東工 5P(最大14P)秋季県大会準優勝
5位:高知商、高知東 5P(最大14P) ベスト4入り1回ずつ
8位:高知中央 5P(最大14P)
9位:宿毛 5P(最大13P)*春季大会2回戦から、ポイント付与済み
(文:寺下 友徳)