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第67回徳島県高等学校野球春季大会展望

2014.03.04

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昨秋四国大会ベスト4・第1シードの生光学園中心も 随所に波乱の要素含む組み合わせに!

 徳島池田が27年ぶりとなるセンバツ出場を果たしたことにより、新時代に突入した感のある徳島県高校野球。その息吹を告げる「第67回徳島県高等学校野球春季大会」組み合わせ抽選会が2月22日(土)徳島県立徳島城南高等学校で行われた。
 参加校は美馬商と貞光工(野球部なし)が統合され4月に誕生する「徳島県立つるぎ高等学校」と徳島市立の連合チーム含む30校29チームである。

髙橋 謙太(生光学院)

 徳島県は春季大会もシード制を採用。4校のシードは昨秋公式戦の結果を反映し第1シード・生光学園昨秋県大会優勝同四国大会ベスト4)、第2シード・小松島昨秋県大会準優勝)、第3シード・海部(昨秋県大会4位)、第4シードは昨秋県大会ベスト8の鳴門川島徳島商板野で抽選を行い、鳴門に決定。第1シードと第4シード、第2シードと第3シードが準決勝までの同じ山に入った。

 
 生光学園は昨秋四国大会準決勝で徳島池田のリベンジに遭い、惜しくも初の甲子園出場を逃した(地区補欠校1位)。それでも、遊撃手とリリーフエース、そして4番を兼ねる主将・髙橋 謙太(2年)、将来性豊かな1年生右腕・福本 真治、脚には絶対の自信を持つ中尾 成希左翼手(2年)など、選手層の厚さは他を圧倒している。

 

ベスト8までのブロックには野球IQの高い平野 善常二塁手(1年)が牽引する徳島商。昨年11月の徳島県高等学校体力・技術研修会で歴代でも1位となるベースランニング13秒72をマークした平松 尭樹中堅手(2年)、同種目2位の14秒07(歴代7位)を出した河野 伸太郎三塁手(2年・主将)をはじめ韋駄天がそろう城東といった侮れない相手が入ったが、昨秋自主性を重んじたことで克服の糸筋が見えた「勝負弱さ」を継続できれば、大会2連覇も見えてくる。

 31校が参加した昨夏徳島大会では、第1シード・鳴門が唯一1試合少なかったアドバンテージを最大限利用し4季連続甲子園出場につなげた。今夏の参加校が何校になるかは不透明だが、第1シード獲得が甲子園への近道であることは確か。生光学園としてはまずはこの春、徳島池田をしのいでの第1シード獲得を決めておきたいところだ。
 

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[page_break:第4シード鳴門のブロックには、鳴門渦潮・徳島城南・科学技術など競合ひしめく]

第4シード鳴門のブロックには、鳴門渦潮・徳島城南・科学技術など競合ひしめく

 
その横、第4シード・鳴門のブロックには鳴門渦潮、徳島城南、徳島科学技術といった実力者が名を連ねる。鳴門渦潮は常時130キロ台のストレートと切れのあるスライダーが武器の左腕・松田 知希(2年)、高校通算11本塁打・189センチの大型捕手である多田 大輔(2年)、パンチ力には定評のある平間 隼人遊撃手(2年・主将)と、大駒3枚を備える。「ただ、選手層がねえ」と髙橋広監督はあくまで慎重な姿勢を崩していないが、彼らがチームに波及する力を発揮できれば、優勝も十分狙える。

菅 良磨(鳴門)

 徳島城南は182センチ右腕・吉見 将志、強肩の新谷 司による2年生バッテリーの状態、鳴門と初戦で当たる徳島科学技術は、中山寿人監督が指導方針として掲げる強打と左腕投手陣の出来が上位進出へのカギとなるだろう。

 3年連続夏甲子園への足がかりを掴まんとする鳴門は、東京国体準決勝大阪桐蔭戦で左腕・菅 良磨(1年)、右腕・橋川 亮佑(2年)がそろって登板。森 友哉大阪桐蔭)をはじめとする「真の全国レベル」を体感した経験をここで活かしたい。

 福岡ソフトバンクで上々のアピールを続ける森 唯斗海部高-三菱自動車倉敷オーシャンズ・昨年ドラフト2位)の実弟・森 祐大捕手(2年・主将)の絶大なるキャプテンシーの下、昨秋は正規部員9人ながら県ベスト4まで駆け上がった第3シード・海部は、徳島北を除き南部地区の同志がそろうブロックに。様々な戦術を駆使する徳島北と、180センチ右腕・浮橋 遼太はじめ大柄な選手がそろう富岡西が対抗馬となる。

 

ちなみに、このブロックの富岡西小松島西、小松島ブロックに入った新野の3校は3月15日(土)・16日(日)の両日にかけ、[stadium]JAアグリあなんスタジアム[/stadium]でセンバツ直前合宿に来る日本文理(新潟)と練習試合で対戦予定。この貴重な経験を経て彼らが何を得るかによって、戦力図も大きく変わる可能性がある。

 第2シード・小松島のブロックにも昨秋県大会鳴門渦潮を下した板野。サウスポーとして投打の主軸となる安丸 友耶(2年)を備え、例年冬を越えて急激に力を伸ばす川島などの曲者がそろった。昨秋は右翼手から捕手に転じた丸岡 勇斗(2年)に代表される大会直前のコンバートと圧倒的な打棒で、投手力の不安をカバーしてきた小松島だが、この春はさらなる進化を迫られそうだ。

 

なお、昨秋と今春の県地区予選・県大会・四国大会勝利数をポイント換算(県大会3位決定戦勝者・今春代表決定戦勝者にはポイント付与なし)し、センバツ出場校には春5ポイントを付与する夏の徳島大会シード算出法に倣えば、現時点でのポイント順位は以下の通りとなっている。各校が春季四国大会を制覇した際の最大ポイント数も明示したので、参考にして頂きたい。

 

1位:徳島池田      11P(最大14P)*センバツ出場ポイントは付与済み
2位:生光学園    7P(最大15P)
3位:小松島     4P(最大12P)
4位:海部       3P(最大11P)
5位:鳴門川島徳島商板野 2P(最大10P)

(文:寺下 友徳)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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