第4回 どこで盗塁を諦める?盗塁を分割して考える2020年07月29日

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【目次】
[1]盗塁を分解する
[2]約3.4秒の戦い/計測と改善のループを回す

 クイックが上手いピッチャーと強肩のキャッチャー。ランナーは足の遅い選手。ここで質問です。あなたが監督なら盗塁のサインを出しますか?

 クイックが下手なピッチャーと送球に難があるキャッチャー。ランナーは俊足の選手。また質問です。あなたが監督なら盗塁のサインを出しますか?

 ほぼ全員が最初のケースでは盗塁しない、二番目のケースでは盗塁すると答えるだろう。ではここで次の質問です。

 どのくらいクイックが早いピッチャーと肩の強いキャッチャーの組み合わせで、盗塁を諦めますか?

盗塁を分解する



二塁への盗塁を「分割」※画像はイメージ

 ルネ・デカルトは「困難は分割で」と言った。本記事では、二塁への盗塁を「分割」して考えよう。

 盗塁のプレーに関わる守備側の要素は大きく3つだ。

【守備側の盗塁の要素】
①ピッチャーのクイック(セットポジションから投球のミット到達まで)
②キャッチャーのスローイング(キャッチャーが捕球して送球しセカンドベースに届くまで)
③塁上の野手のタッチ(野手が捕球してランナーにタッチするまで)

 一つずつ数字を見ていこう。

 プロ野球では、平均的な「①ピッチャーのクイック」は1.2〜1.3秒程度だとされている。おそらく高校野球ではもっと遅いだろうが、ここではあえて1.2秒としよう。

 次に「②キャッチャーのスローイング」については、MLBのデータを使用してみよう。便利なことにMLBは「ポップタイム(pop time)」としてキャッチャーが捕球してから送球しセカンドベースで構える野手のミットにボールがおさまる時間を計測し、公開している(注1)。2019年のMLB捕手の平均ポップタイムは2.01秒だ。

 「③塁上の野手のタッチ」にかかる時間は残念ながら公開されていない。厳密さに欠けてしまうが、ここでは0.2秒と仮置きしてみよう(熱心な野球ファンは次に野球観戦をする際にストップウォッチで測って見ると良い)。

 やっと①〜③の数字が揃った。これらを全て足し合わせると、守備陣が二盗の対応にかかる時間が算出できる。

 ①1.2秒+②2.01秒+③0.2秒=3.41秒

【次のページ】 約3.4秒の戦い

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