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第95回全国高等学校野球選手権記念千葉大会 展望

2013.07.02

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第95回全国高等学校野球選手権記念千葉大会 展望 | 高校野球ドットコム

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群雄割拠の戦国千葉を制するのは

 第95回全国高等学校野球選手権記念千葉大会の組み合わせが決まった。千葉県の特徴といえばシード校とノーシード校の実力差がほとんど無い。近年でいえば2010年夏の選手権大会ベスト4に勝ち進んだ成田もノーシード。ノーシードからも実力校が存在するのが千葉県の魅力である。注目校・注目選手を紹介していこう。

千葉英和・習志野ブロック

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▲小又 圭甫(千葉英和)

 Aシードの千葉英和は能力の高い選手が揃う。エースの小又 圭甫(3年)は昨秋よりもストレートの勢いがまして最速145キロを計測するまでに。春よりも進化した姿を見せられれば、今秋のドラフト候補に名を連ねる可能性を持った逸材ではないだろうか。他には2年生左腕の渡邊 拳、1年生スラッガーの網谷 圭将に注目。

 千葉英和のブロックに好チームがズラリと揃っている。浦安は好投手・藤平 海斗(3年)、ショートストップ・島袋 渉(3年)に注目。初戦で鎌田 光津希(3年)を擁する横芝敬愛との対決となった。昨年、拓大紅陵、千葉商大附を破りチーム力のある稲毛も潜む。さらに、安房で甲子園経験のある早川監督率いる天羽が稲毛と初戦で対決。初戦から見逃せない戦いが多い。

 千葉英和と同ブロックのCシードの成田成田は春季関東大会ベスト4の東海大望洋と、延長15回との激戦を展開した。エース津留崎 大地(3年)、投打にセンスのある久保田 巧(3年)、核弾頭・丹治 光生、守備範囲が広いショートストップ・早坂 司と好選手が揃う。

 Bブロックの習志野。エースで4番の松山 大志が最終学年を迎えた。打者としては本塁打が期待出来るスラッガーで期待は高い。そして習志野は相手の隙をついて得点を積み重ねる試合巧者ぶりも見逃せない。

 習志野は初戦で船橋古和釜千葉学芸の勝者と対戦。千葉学芸には速球派右腕・池田 清良(2年)にも注目だ。

同ブロックにCシードの沼南はエース壱岐 孝(3年)に注目。135キロ前後の速球、スライダーを軸に投球を組み立てる右の本格派。また、波に乗れば勢いが止まらない打線も魅力だ。

[page_break:東海大望洋・市立船橋ブロック/専大松戸・西武台千葉ブロック]

東海大望洋・市立船橋ブロック

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▲山田雄太(東海大望洋)

 春季千葉県大会優勝を果たし、Aシード・東海大望洋は、匝瑳鎌ヶ谷西との勝者と対戦。東海大望洋は最速140キロとカーブを投げ分ける右の本格派・山田 雄太(3年)、右サイド・武内 健吾(3年)の二枚看板が光る。

 春季大会では先発・武内、リリーフ・山田のリレーで勝ち進んできた。打線では長打力のある豊田 航平(3年)が中心となり点を重ねていく。甲子園出場は2010年春の選抜1回のみ。悲願の夏へ攻守の総合力を高めていき、隙のないチームを目指す。

 同じブロックのCシードの中央学院はショートストップの大部 将也(3年)、主将の渡邊 拳斗(3年)の好打者が揃ったチーム。ノーシードでは八街に注目。強打の捕手・比嘉 駿弥(3年)。左腕の大谷 竜(2年)、速球派の大門 健一(2年)にも注目したい。

 Bシードの市立船橋春季千葉県大会・準々決勝の千葉英和戦で本塁打を放った主砲の古川 卓磨(3年)、核弾頭の住友 龍志(3年)を軸に粘り強い戦いができるチーム。同じブロックにはCシードの千葉明徳は好左腕・畠山 洸平(2年)、強肩捕手・小田 悠平(3年)のバッテリーに注目したい。

専大松戸・西武台千葉ブロック

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▲高橋礼(専大松戸)

 春準優勝の専大松戸。右下手投げの高橋 礼(3年)、緩急を付ける投球が上手い右サイドの斎藤 竜一(3年)、関東大会で最速141キロを計測した原 嵩(1年)と複数の投手が揃う。打線は主砲の西田 広(2年)、勝負強い石川 将也(3年)。春季大会では沼南の好投手・壱岐 孝(3年)を攻略しており、打線の対応力の高さがウリ。

 専大松戸東京学館浦安と市川昂の勝者と対戦。ノーシードの東京学館浦安は昨秋に第3ブロック決定戦で専大松戸に3対1で勝利している。2011年に県決勝に勝ち進んだ時もノーシードからのスタート。見逃せない好チームだ。Cシードの柏日体はエースの池田 大将(3年)、左腕の鈴木 翔太(3年)の二枚看板に注目。

 Bシードの西武台千葉。エース藤森 祐太朗(3年)はスピードではなく、コントロール、キレの良い変化球で粘り強い投球が売り。チームも藤森のように粘り強い野球で、簡単には倒れない好チームだ。Cシードの拓大紅陵は攻守の要のショートストップ・石原 大平(3年)、左の好打者・伊藤 優世(3年)、俊足の御園 謙太(3年)、強肩捕手・伊藤 寿真(1年)と好選手が多い。今年は機動力がウリで、足とつなぎの攻撃で、甲子園を目指す。

  ノーシードの千葉経大附。2年生スラッガー・中村 士朗、エースの刈込 拓人と好選手が揃い見逃せない存在。同じくノーシードで注目したいのは国府台。春の県大会で東京学館船橋を破っており、夏まで実力を高め、シード校を脅かす活躍を見せたい。
 

[page_break:銚子商業・木更津総合ブロック]

銚子商業・木更津総合ブロック

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▲宇井野一真(銚子商業)

 Aシードの銚子商業は、抜群の制球力と変化球のキレが優れ、打者の的を絞らない投球ができる左腕・宇井野 一真(3年)、正捕手の金井 大和(3年)、軽快なフットワーク、長打力が期待出来るショートストップの神原 潤(3年)と好選手が多い。2005年以来の夏の甲子園を目指す。銚子商業は、東葉小見川の勝者と対戦する。

 銚子商ブロックには昨夏ベスト4の松戸国際、Cシードに130キロ後半の速球を武器にする渡邉 拓視(3年)を擁する四街道、昨年12月にアメリカ遠征の選抜に選出された京葉のエース渡部 圭太(3年)、千葉商大附は185センチ87キロと恵まれた体格から振り下ろす140キロ超の速球を武器にする林 雅啓(3年)、東総工からは193センチの長身から143キロを計測する高品 健吾(3年)と魅力的な投手が多い。

 昨夏選手権出場のBブロックの木更津総合秋葉 豪太(3年)、逆井 将(3年)と昨夏の甲子園経験者を中心にチームを牽引。大阪桐蔭戦で二番手として登板した千葉 貴央(2年)がキーマンになりそうだ。Cブロックの志学館は本格派右腕・ロドリゴ 力毅(3年)に注目だ。ノーシードからの流通経済大柏も見逃せない好チームである。

 千葉大会は7月12日から開幕。今年もノーシードでも上位進出が期待出来る好チームが多く、今年も大会序盤から激戦が予想される千葉大会になりそうだ。

(文=河嶋 宗一

第95回全国高等学校野球選手権記念千葉大会 開催概要

第95回千葉大会 組み合わせはこちら(千葉県高野連HPから PDFに変換)
7月12日~7月27日 参加校数:171
決勝球場:[stadium]QVCマリンフィールド[/stadium](千葉マリンスタジアム)
その他の球場:[stadium]千葉県野球場[/stadium]、[stadium]青葉の森野球場[/stadium]、[stadium]習志野市秋津球場[/stadium]、[stadium]船橋市民球場[/stadium]、[stadium]市川市営国府台球場[/stadium]
[stadium]柏の葉公園野球場[/stadium]、[stadium]成田市営大谷津球場[/stadium]、[stadium]ゼットエーボールパーク[/stadium](市原臨海)、[stadium]袖ヶ浦市営球場[/stadium]、[stadium]長生の森野球場[/stadium]

昨夏代表:木更津総合(第94回千葉大会結果)
昨秋優勝:習志野(秋季千葉県大会結果) (秋季関東大会結果)
今春優勝:東海大望洋(春季千葉県大会結果) (春季関東大会結果)

【高校野球ドットコム編集部】
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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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