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第95回全国高等学校野球選手権記念神奈川大会 展望

2013.06.29

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第95回全国高等学校野球選手権記念神奈川大会 展望 | 高校野球ドットコム

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190校が集う激戦・神奈川を制するのは

 全国で最も熱い地方大会といえば神奈川大会だろう。野球熱の熱さは尋常ではない神奈川だが、その熱中度を例年よりも2倍、3倍も熱くさせているのが桐光学園松井 裕樹だ。

 彼に対する注目度は高いが、ただ神奈川は松井だけではない。神奈川には注目すべきチーム、選手がたくさん存在する。注目チーム、注目選手を紹介していきたい。

東海大相模・湘南ブロック

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▲青島凌也(東海大相模)

 投手陣の層の厚さについてはハイレベルなのが春ベスト4の東海大相模。2年生エースの青島 凌也は昨年に比べて球威が増し、スライダー、フォークを織り交ぜたコンビネーションで勝負する右の本格派。そして投手として大事なハートの強さも備わった投手だ。

 青島だけではなく東海大相模の投手陣の頭数は豊富で、右サイドから癖球で勝負する仲宗根 大都(3年)、左腕の小田桐 丞(3年)、湘南クラブ時代にジャイアンツカップで優勝を経験し、湘南戦でデビューした大型左腕・小笠原 慎之介(1年)と魅力的な投手が多い。打線では本塁打を打つ長打力がある遠藤 裕也(3年)が1番に座り、打線に勢いを付ける。投打ともに仕上げて、3年ぶりの甲子園を目指す。

 他では日大藤沢戦で投手5人も登板させ、激しい競争が行われている藤沢翔陵。迫力ある打線で、秋ベスト8入りした逗葉にも注目だ。

 ベスト8入りした伝統校・湘南。左腕の宮台 康司(3年)、山田 浩太郎(3年)にさらに東海大相模戦で登板した1年生左腕・千脇 亮太。3人とも制球力、ボールのキレを兼ね備えた左腕で、試合が作れる。打線はコツコツとつないで1点を積み重ね、守り勝ってきた好チーム。他では長身右腕・塩釜 啓太を擁する戸塚に注目したい。

[page_break:桐光学園・横浜隼人ブロック/桐蔭学園・武相ブロック]

桐光学園・横浜隼人ブロック

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▲松井裕樹(桐光学園)

 連覇の期待のかかる桐光学園はエースの松井 裕樹が注目されるが、他にも好選手が多い。投手として常時130キロ後半を計測し、打者としては関東大会・前橋育英戦で清原球場のバックスクリーンに打ち込んだ長打力を持つ山田 将士(2年)。核弾頭として活躍した重村 健太(2年)、広角に打ち分ける水海 翔太(3年)、4番の植草 祐太(3年)がいる。桐光学園は山田以外、長打力で連発するような打線ではない。だがつながった時は打線の勢いはなかなか止められないものがあり、総合力が高いチーム。2年連続の甲子園へさらなる高みを目指す。

 同ブロックはエースの平野 暖周(3年)を擁する相洋、ベスト16入りに貢献した湘南工大附はコントロールの右腕・武 雅人(3年)がいる。そしてノーシードから横浜商大高が登場。横浜商大高は140キロ右腕・続木 悠登(2年)を擁し、上位進出を狙う。

 横浜隼人は強力打線がウリ。投手陣ではエースの内藤 勇人、大型左腕・横田 将太郎の二枚看板。打線では宗 佑磨(2年)、手塚 渓登(2年)、木下 和也(3年)と長打力のある打者が揃う。

 横浜は2年生エース・伊藤 将司にスラッガー高濱 祐斗(2年)、浅間 大基(2年)、川口 凌(2年)、長谷川 寛之(3年)の主力打者が伊藤をカバーし、勝ち上がって行きたい。同じブロックには好投手・立川 慎(3年)擁する湘南学院川崎北を強豪公立に育て上げた佐相監督が率いる相模原にも注目だ。

桐蔭学園・武相ブロック

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▲斎藤大将(桐蔭学園)

 春優勝の桐蔭学園はエースの斎藤 大将がほぼ一人で投げ抜き、14年ぶりの県大会優勝に貢献。準決勝の東海大相模戦で走者一掃の二塁打、決勝の桐光学園戦での本塁打を放っており、打者としても期待されている。内野手、外野手の守備力は安定しており、無駄な失点を許さない。春季大会では少ない点数で守り抜いてきたが、斎藤の負担を減らすために打線の強化を図りたい。

 桐蔭学園のブロックには横浜創学館に注目。187センチ右腕・浅見 勇太郎(2年)、海老塚 耕作(2年)と2年生の好投手が揃う。

 武相は伝統の破壊力ある打線は健在で、好投手・菅原 賢人(2年)に注目だ。同ブロックでは慶應義塾立花学園に注目。

 慶應義塾は強打者・植田 清太(2年)、1年生ながらスタメンで出場する柳町 達(1年)、横浜隼人戦で先発した津留崎 大成(1年)と下級生に好選手が目立つ。立花学園は昨夏ノーシードから東海大相模を破るなど、夏に強いチーム。この夏も強豪校を脅かせるような活躍を見せたい。
 

[page_break:日大藤沢・平塚学園ブロック]

日大藤沢・平塚学園ブロック

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▲金子一輝(日大藤沢)

 春ベスト4の日大藤沢松原 涼斗(2年)が春季大会で成長し、エースに任されるようになった。打線は広角に打ち分けるバットコントロールが光る3番キャッチャー・小坂井 智朗(3年)、4番ショートの金子 一輝(3年)は松井 裕樹から長打を放ち、守りではポジショニングが良く、素早いフィールディングに、強肩が光る。攻守ともにバランスが揃った注目のショートだ。

 ノーシードから上位を狙う向上、130キロ後半の速球、縦に鋭くスライダーを武器にする倉田 暁平(3年)擁する百合丘、4回戦入りした法政二はつながりのある打線で勝負する。

 平塚学園は夏秋4強、春8強入りの原動力となったプロ注目右腕・熊谷 拓也が最後の夏に臨む。140キロ前後の速球、キレのある変化球をコントロール良く投げ分け、チームを上位に導いた右腕としてプロから注目されるようになった。センターラインに守備力のある選手が揃い、熊谷を盛り立て守り勝つチームといえる。

 同ブロックでは好左腕・後藤 太一(3年)を擁する川和、ポジショニングの良い守備で強豪を驚かせる藤嶺藤沢にも注目したい。

 神奈川大会は7月7日から開幕。全国屈指の激戦度を誇る神奈川を勝ち抜くのは何処なのか。開幕から最後まで見離せない戦いを見せてくれそうだ。

(文=河嶋 宗一

第95回全国高等学校野球選手権記念神奈川大会 開催概要

第95回神奈川大会  組み合わせはこちら(神奈川県高野連HP PDF)
7月7日~7月28日 参加校数:190
決勝球場:[stadium]横浜スタジアム[/stadium]
その他の球場[stadium]保土ヶ谷・神奈川新聞スタジアム[/stadium]、[stadium]平塚球場[/stadium]、[stadium]大和引地台球場[/stadium]
 [stadium]サーティーフォー相模原球場[/stadium]、[stadium]横須賀スタジアム[/stadium]、[stadium]藤沢八部球場[/stadium]、[stadium]等々力球場[/stadium]
[stadium]秦野球場[/stadium]
 [stadium]小田原球場[/stadium]、[stadium]いせはらサンシャイン・スタジアム[/stadium]、[stadium]俣野公園横浜薬大スタジアム[/stadium]

昨夏代表:桐光学園(第94回神奈川大会結果)
昨秋優勝:東海大相模(秋季神奈川県大会結果)(秋季関東地区大会結果)
今春優勝:桐蔭学園(春季神奈川県大会結果) (春季関東地区大会結果)

今大会出場校への応援メッセージはこちらから

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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