目次

[1]大阪ガス投手陣の調整に欠かせない「縄跳び」 / 選手の数だけ調整法の正解は存在する
[2]主力投手陣からのメッセージ

 第2回では、ここまで時期によっての調整法、ランニング、ウエイトトレーニングの考え方を紹介しましたが、最終回では、持久力を身に付けるための練習法としての縄跳びの効果や、調整するうえで考えてほしいことなどを教えていただきました。

大阪ガス投手陣の調整に欠かせない「縄跳び」

大阪ガス・緒方 悠投手

 うちの投手陣が年間を通し、ほぼ毎日行っているメニューが「縄跳び」です。具体的なやり方としては、

・ノーマルなスピードで5分間跳び続ける
・ノーマルなスピードで10分間跳び続ける
・30秒間フルスピードで跳んだ後、1~2分のインターバルを挟みながら数セットをこなす

 の3パターンがあり、このどれか一つを1日の中で行うことになっています。縄跳びの効果としては、

・小円筋という肩にあるインナーマッスルに刺激を与えることができ、故障防止につながる
・ふくらはぎ、ハムストリングスを小さなジャンプの連続で刺激することで、バネのある質のいい筋肉にしていける。
・全身運動のため、バランス感覚が向上する。
・ピッチャーとして必要なスタミナの養成につながる。

 といった点が主に挙げられます。縄跳びは安価で手に入れられる上、場所をほとんど選びません。全国の高校球児にもぜひお薦めしたいメニューです。

選手の数だけ調整法の正解は存在する

 時折、「先発登板に向け、調整をする上で、どこにノースローデーをもってくればいいのかがわからない」という質問を受けることがありますが、仮に日曜日に試合があるとしたら、三日前の木曜日にノースローデーを思い切って持ってくるのが失敗しにくいやり方だと思います。水、木曜日に練習の強度を下げ、しっかり休養をとった上で、金、土曜日にギアを上げていくと、日曜日の試合でトップの状態にもっていける確率が高くなります。

 ただし、厳密にいえば、正しい調整法というのは選手の数だけ存在すると思っています。本当の正解はひとりひとり異なると言っていい。うちの主軸の一人である、酒居 知史は試合前の三日間をノースローで過ごしても試合本番で結果を出せる投手です。その三日間はせいぜいキャッチボールしか行わない。そのかわり、短距離ダッシュ、縄跳び、インナーマッスルのトレーニングなどはしっかりと行っており、肩は休めても体はしっかりと活性化させている。

 試行錯誤の末に行き着いた彼にとってのベストの調整法です。大事なことはすぐに正解を求めないこと。試行錯誤を繰り返すことを厭わず、根気よく、いろんなやり方にトライしながら、自分にとってのベストの調整法を探し当ててください。見つけることができたならば、ピッチャーとしてこれほど心強いことはありません。

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