第20回 JX-ENEOS・前田 将希選手兼コーチが語る「スライディング術」【前編】2016年02月19日

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【目次】
[1]走塁はボクシングのジャブやボディブロー
[2]スライディングの時に減速しないのが鉄則
[3]いかに早くトップスピードに乗るか

 野球には大きく「走」・「攻」・「守」の3つの要素がある。よく「走・攻・守三拍子揃った選手」という形容も用いられるが、近年はかなり傾向が変わってはきたものの、バッティングや守備に比べて、比重が低くなりがちなのが走塁ではないだろうか。

 そこで早稲田実業高、早稲田大、そしてJX-ENEOSと野球のエリートコースを歩み、大舞台でも「足のスペシャリスト」として遺憾なく存在感を発揮している前田 将希選手兼コーチにお話をうかがい、走塁の大切さや、セーフになるためのスライディングのポイントなどを伝授していただいた。

走塁はボクシングのジャブやボディブロー

前田 将希選手兼コーチ(JX-ENEOS)

 あなたにとって、あなたのチームにとって、走塁はどのような位置付けだろうか?
走塁は“お買い得商品”だと思いますよ―。走塁をこう表現するのが、JX-ENEOSの前田 将希選手兼コーチだ。なぜ走塁が“お買い得商品”なのか?前田兼任コーチはその真意を次のように説明する。

「野手ならどうしても関心は打撃に向きます。技術に関する情報もたくさんありますしね。どうすれば打てるようになるかと、常に考えている選手は多いでしょう。対して走塁はどうかというと、打撃に比べると、つき詰めている選手は社会人でも少ない。実は1点勝負の時に、走塁が勝敗に直結することが多いのに…。ですから意識高く取り組めば、他の選手や他のチームと差をつけやすいんです。走塁や盗塁に興味を持てば、野球に対する見方も変わってくると思います」

 前田兼任コーチの場合、それに気が付いたのは早稲田実業高時代だったという。早稲田大時代の50m走のタイムが5秒8で、子供の頃から先天的に足は速かったものの、早稲田実業中(軟式)でプレーしていた頃は走塁に対する意識は希薄だった。

早稲田実業高は、和泉 実監督が走塁に力を入れてましてね。走塁練習も多かったんです。それとOBで、選手時代に快足で鳴らした阿久根 謙司さん(早稲田大-東京ガス、元東京ガス監督)がコーチとして来られていまして。阿久根さんから走塁の奥深さを教えてもらったのも大きかったですね。野球を続けていくなら、自分の持ち味である『足』を生かしていこう、と決めたのも高校生の時です」

 とはいえ、前田兼任コーチのような「足」がない選手は、なかなか走塁に関心がいかないもの。だが「足が速いのに越したことはありませんが、高い意識さえあれば必ず、どんな選手でも走塁は上達します」と前田兼任コーチはキッパリ。そして言葉をつないだ。

「走塁はボクシングで例えるなら、ジャブやボディブローです。アッパーやストレートのように一撃でKOできる力はありませんが、相手にダメージを与えられる。やられた、という精神的なダメージですね。またダメージを与えられなくても、走塁というジャブやボディブローがある、そう相手に思わせるだけでも大きな武器になります。ジャブやボディブローがアッパーやストレートを入りやすくするように、走塁はタイムリーや逆転打を引き出すのです。ですから、チームとして打撃や守備と同じくらいの意識で走塁に向き合うといいと思います。ウチも今年は昨年以上の意識で走塁を磨いていくつもりです」

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