専大松戸が初優勝!140キロ連発の1年生投手が成田打線を翻弄

歓喜の輪を作る梅澤翔大(専大松戸)
<第75回秋季千葉県高校野球大会:専大松戸11-2成田>◇2日◇決勝◇千葉県
2回裏、専大松戸は8番渡邊翼投手(2年)の適時打、1番大森 准弥外野手(2年)の適時三塁打で一気に3点を先制。3回裏にも1点を追加。4回表、成田は6番大塚 楓真捕手(2年)の適時打と7番鈴木 晴仁内野手(1年)のスクイズで2点を返すが、反撃はここまで。
専大松戸は8回裏、中山 凱内野手(1年)の3ランなど一挙7点を入れ、11対2と大量リード。そして4回途中から2番手として登板した梅澤 翔大投手(1年)は無失点の好リリーフを見せ、優勝。初優勝に選手たちはマウンド上で喜びを爆発させた。
これで千葉は1位が専大松戸、2位が成田として関東大会に出場する。
改めて専大松戸の選手層の厚さを実感する試合となった。専大松戸の2番手の梅澤の好投が大きかった。テークバックを大きく取って、内回りの旋回をしてきながら、振り下ろすフォームは躍動感があった。直球は常時135キロ〜140キロを計測。140キロは1イニングに数球計測しており、175センチ、71キロと細身であるが、身体能力が高く、体の使い方が上手い。5.2回を投げ、5三振を奪ってみせた。
市川シニア出身。昨年、甲子園に出場したチームの野球に心惹かれて、入学を決めた。1年春からベンチ入りし、強豪・習志野戦で登板をしている。当時は130キロ前後の速球だった。ただ、持丸監督から勢いよく踏み込むために左足の使い方を学んだだけではなく、テークバックを取った時に右肩が入りすぎないようにすること。そして投球動作で左手のグラブを伸ばした時に、高く掲げすぎないようにすること。注意点を学びながら、自己最速は141キロまで伸びた。
体をさらに大きくするためにエース・平野 大地投手(2年)から食事のとり方を学んだという。直球だけではなく、90キロ台のカーブも大きなアクセントとなっており、この投手が控えているのは心強い。
打撃面では1年生遊撃手の中山が活躍を見せた。8回裏には公式戦2本目となる3ランを放った。179センチ、74キロと細身で、どちらかというと守備型の選手だったようだが、ウエートトレーニングの割合を増やし、パワーが増していった。
準決勝の市立船橋戦では決勝適時打をマークした。「自分がエラーしてしまったので、取り返すつもりで打席に立った」と勝負強さを発揮し、存在感を示している。憧れは2015年夏のショートとして活躍した渡辺 大樹遊撃手(現ヤクルト)だ。
この秋は平野だけではなく、投手、打者の多くが成長を示した県大会だった。伸び盛りの専大松戸。関東大会でもこの勢いを持続し、2年ぶりのセンバツ出場を実現できるか。
(取材=河嶋 宗一)