拓大紅陵がベスト4進出 高校通算12本塁打スラッガーが5打点で勝利に導く



ホームランを放ち、雄たけびあげる拓大紅陵5番・永嶋 七海

<第75回秋季千葉県高校野球大会:拓大紅陵9-2東京学館浦安>◇25日◇準々決勝◇ゼットエー

 実力者が揃う拓大紅陵が、東京学館浦安を下してベスト4進出。技巧派左腕・髙梨 航太投手(2年)に苦しみながらも、中盤の集中打で試合の主導権を握って、関東大会に1歩前進した。

 東京学館浦安先発・髙梨の巧みな投球を前に、拓大紅陵サイドには重苦しい空気が漂っていた。サイドスロー気味の投球モーションから緩いスライダー系の変化球中心に内外、高低を揺さぶられ、凡退が続いた。

 1対1の5回は2死ながら一、三塁と勝ち越しのチャンス。打席に向かう5番・永嶋 七海内野手(2年)は、「今日は逆方向への打撃をチーム全体で目標にしていましたので、それだけを考えて、来た球に素直に振り出しました」と高めの直球を捉えた。

 打球はどんどん伸び、左翼席まで届いた。公式戦は初めてとなる高校通算12本塁打。試合の均衡を崩す勝ち越しのホームランで4対1となり、チームに勢いを与えた。

 6回の第3打席も中前への適時打を放って8対2とするなど、3安打5打点の活躍。「自分は打点を稼ぐことが役割です」と話していた永嶋本人はもちろんのこと、「永嶋には打点、長打を求めている」という指揮官の和田監督にとっても、この活躍は大きかった。

 懐を深くして、しっかりと引き付け、最短距離でスムーズにバットを出せていたので、どの球に対しても対応できていた。髙梨対策として逆打ちを意識していたことで、呼び込むような打撃ができたそうだが、スムーズにバットを出せたのも、フォームの改善が関わっている。

「2年生の春にベンチを外れてしまったことをきっかけに、監督やコーチにアドバイスをもらって、下半身の使い方やミートポイントを見直していましたが、一番はバットを構える位置を下げるようにしたことです。それまでは高く構えていた分、肩に力が入りやすくて素直に振り出せませんでしたが、下げただけで力むことなくスイングができるようになりました」

 イメージでは傘をさす感覚だというが、この感覚が養われたことで、次第に長打も増えるようになり、現在のフォームで5、6本のホームランを放つなど、数か月で結果を残してきた。和田監督も「練習試合ではホームランを打っていたが、試合では単打が多かった」と、長打力は発揮できていなかった。だからこそ、この成長で見せた一打は、試合の結果以上に大きな結果だった。

 次戦の成田に勝利すれば、関東大会出場が決まる。和田監督は「ミスは許されませんし、簡単には打てないと思うので、課題が見える一戦になると思います」と気を引き締めている様子だったが、永嶋は「ランナーを返せるような打撃をしたい」と打点を稼ぐこと誓った。普段は「自信がなく、遠慮がちな選手です」と和田監督は話すが、そんな様子はなく自信をもっているように見えた。関東大会出場を決めて、さらに深めることができるか。