市立船橋が習志野との乱戦を制する!指揮官が頼りにする主将が2本塁打6打点の大暴れで試合を決める!



1本目の本塁打を放った篠崎大耀(市立船橋)

<秋季千葉県高校野球大会:市立船橋9-8習志野>◇21日◇2回戦◇千葉県SC

 習志野vs市立船橋と、千葉を代表する強豪校同士の対戦が秋季県大会2回戦で実現した。平日ながら千葉県野球場の内野席は多くの人が詰めかけていた。

 試合は1回裏、4番篠崎 大耀外野手(2年)の3ランで市立船橋が3点先制。4回裏には先発の工藤 将祐投手(1年)の適時打、2番田中 淳弥外野手の適時二塁打で6対0と点差を広げる。

 習志野も5回表に押し出し、6回表には犠飛で1点ずつ返した。習志野の反撃ムードで盛り上がった中、市立船橋は4番篠崎がこの日2本目となる3ランで、9対2と突き放す。篠崎はこの日、6打点の活躍だった。

 7回表、習志野も3番栗山護一外野手(2年)の適時打で2点を返し、コールドを阻止。5番根立陸斗内野手(1年)の右前適時打で5対9とすると、6番渡邉駿弥内野手の3ランで8対9へ。

 だが、最後は市立船橋のエース・稗田真都投手(2年)が追う習志野打線を振り切り、市立船橋が3回戦進出を決めた。

 県大会2回戦とは思えないぐらいハイレベルな試合だった。そして負けた習志野も2回戦で敗れるのは、もったいないと思うほど良いチームだった。

 市立船橋習志野はどの投手も130キロ前半の速球を投げ込んでいた。市立船橋の工藤はまだ1年生ながら、この時期としては、なかなかレベルが高い。ただ、どの打者も早めに始動できる構え、タイミングをしており、コンパクトなレベルスイングで次々と打ち返すことができている。

 その中で3ラン2ホーマーを放った篠崎は実に合理的だ。バットを寝かせ気味にして、グリップの位置を置いて構えることで、立ち遅れを防ぐ。さらに小刻みにバットを揺らし、少し体を揺らすことで、体を柔軟にスムーズにバットを振りやすくする狙いが感じられる。

 篠崎自身、この2ホーマーには「驚いています」とコメント。公式戦初めての本塁打で、通算8本塁打目。非常に良さがでていた。主将でもある篠崎について海上監督は「非常に真面目な性格をしていて、今年のチームは彼しかいないと思っていました」とキャプテンシーを高く評価する。確かにスタメンの多くが1年生で、チームの課題についても理路整然と述べる姿を聞くと、海上監督が評価するのも頷ける。

 この試合について篠崎は「まだ連係プレーの部分が疎かになっている部分があり、まだ、周りが見えていない選手もいるので、反省点が多い試合でした」と語る。

 海上監督は「バッテリーが1年生で、まだまだ脆さが見えた試合でした。これほど強い相手と対戦できたことは良い経験となりました。今年のチームは去年のチームとは大きくカラーが違いますので、そのカラーをどう出すか考えています」と語るように、カラーを確立させようと試行錯誤している段階だ。

 また、好野手が多く、1番ハレグザッド ノア外野手(2年)は3安打の活躍。実に思い切りがよく、コンパクトなレベルスイングを心がけている。中堅手の田中も守備力も高く、打撃ではパンチ力もある。1年夏から試合に出場している大野 七樹内野手(1年)など好打者が多い。

 甲子園に出場したチームの入れ替わりになると、戦力ダウンは否めないが、習志野戦の戦いぶりをみると、想像以上に選手のレベルは高い。どの選手も試合に出られない間もしっかりとフィジカル、スキルを高めてきたのがうかがえる。

 この秋の県大会前は仙台育英とも練習試合を行った。篠崎は「個々のレベルが非常に高く、こういうチームと対戦できて収穫も大いにあった」と語るように、1つ1つの経験を糧にしている市立船橋ナイン。ますます強くなる可能性を持ったチームだ。

 敗れた習志野も、野手のスキルの高さは県内でも上位に入るだろう。得点力の高さや、相手投手を追い詰める戦術は見るべきものがあり、1番〜9番まで力量差はなかった。だが、投打ともに圧倒的な力量を持った選手は見当たらなかった。この1年、そういった選手が出てくるのか、注目したい。

(取材=河嶋 宗一

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