銚子商が12年ぶりの春の関東へ エース・飯島聖矢が成長見せる投球で木更津総合を封じる



銚子商先発・飯島聖矢

<春季高校野球千葉大会:銚子商6-2木更津総合>◇3日◇準決勝◇千葉県野球場

 最後のアウトを取った瞬間、マウンドでこぶしを突き上げた。銚子商エース・飯島 聖矢投手(3年)が最後まで丁寧な投球で強力打線・木更津総合を封じ込め、12年ぶりの春の関東大会をたぐり寄せた。

 「調子はあまり良くなかったですが、力まずにコントロール良く投げるようにしました」と制球力重視のピッチングを意識。その結果が9回被安打10、四死球1、失点2。名門・銚子商のエースとして粘り強く投げ抜いた。

 冬場に転機があった。秋は八千代松陰に敗れたが、そのころは「力んで球速を出そう」とスピード重視の投球を心掛けていた。それで最速140キロを計測するなど、ポテンシャルは光るものを見せたが、オフシーズンに入る前に投手コーチから受けた助言で意識が変わったという。

「コーチからは『力んで投げれば、誰でも球速は出せる。じゃあ、どれだけリラックスして投げて、球速を出せるのかが大事だろう』と言われました」

 この助言を聞き、「リラックスして投げたほうが、伸びや切れも良くなる」と素直に受け入れた飯島は、右腕の使い方を改良した。

 大きなテイクバックを取るときに、どれだけ脱力して、リリース時だけ力を入れられるか。ここに焦点を置いてブルペンで投げ込むときは1回で100球以上をこなすなど、量をこなしてフォーム固めをしてきた。

 また、「保護者会にお願いして購入してもらった」というチーム用のiPadで投球フォームを撮影。自身の状態を視覚的に判断して、フォームの改良に努めてきた。

 春の大会を迎えると、「コースへしっかり投げ切れれば、打たれない」と投げるたびに冬場の成果に自信を深めていたという。この試合も130キロ前半までセーブしてコントロールを重視した真っすぐに、武器である120キロ台のカットボールやチェンジアップを駆使して打たせて取る投球を展開。ヒット10本を許しながらも、2失点に食い止めた。

 木更津総合・五島監督は「真っすぐに差し込まれていたから思った以上に来ていたかもしれないし、落ちる球が気になっていたかもしれない」と話したが、スタンドから見ていても、球速差が10キロ前後で、直球と似た軌道から沈んでいた。結果、木更津総合の各打者が打ち損じたり、低めのボール球に手を出したりと苦戦。巧みな投球だった。

 秋の敗戦で得た課題を胸に、指導者からの一言で生まれ変わった飯島。「調子が悪いからといって、崩れてしまってはエースではない」。背番号1としての自覚をもって取り組んできたことが、12年ぶりの春の関東大会にたどり着いただろう。決勝戦、そして関東大会での好投を楽しみにしたい。

 そんな飯島の好投を打線が援護したのは5回、5番・石毛 陽己外野手(3年)のホームランで2点を入れて、銚子商が主導権を握った。

 7回表に先攻の木更津総合に追いつかれたものの、直後に1死一、三塁から9番・前橋 脩太外野手(3年)の一打で勝ち越すと、続く1番・鵜澤 智也内野手(3年)のホームランで3点を追加して試合を決めた。

 9回も飯島がマウンドまで投げ抜き、最後の打者をセンターフライに抑え、12年ぶりに春の関東大会への出場を決めた。