金子 凌也選手 (日大三)
寸評
昨年全国大会優勝時の、唯一のレギュラー経験者。今年もその経験を生かして、攻守でチームを引っ張り甲子園に導きました。 (第一印象) 主将という重責も担っていたせいか? 本人自体のプレーに、大きな成長が感じられなかったのは残念です。ただ守備に関しては、一塁から遊撃にまわり、大いに存在感を増しました。 (守備・走塁面) 一塁までの塁間を、4.3秒前後で到達します。高校生としては遅くありませんが、ドラフト候補の基準は4.2秒。西東京大会の7試合で1盗塁ということからも、普段から足でアピールするタイプではないようです。 遊撃手としては、可も不可もなしといった印象です。ただ思ったよりも無難にこなしている印象で、けして下手な選手が、アピールのためにやっているということはありません。地肩も基準以上のものがありますので、上のレベルだと三塁あたりが良いのではないのでしょうか。 守備・走塁に関しては平均レベルであり、アピールするほどの絶対的なものはありません。しかし足を引っ張るというほど、悪いということもありません。 (打撃内容) スクエアスタンスで足を揃え、グリップを高めに構えます。非常にバランスの取れた、良い構えだと思います。始動は平均的で、中距離打者が多く採用するタイミング。ある程度の対応力と長打力をバランス良く兼ね備え、勝負強さを売りにするタイプ。 <長所> 始動~着地までの「間」が取れているので、速球でも変化球でも合わせやすい打ち方。真っ直ぐ踏み出すことで、内角も外角も捌きたいという、幅広い意思が感じ取れます。踏み込んだ足元もブレないので、外角や厳しい球にも対応できます。緩急にもコースにも対応しうる幅の広い打撃が身上です。 打撃の準備である「トップ」の形を早く作り、バットの振り出しにも癖がなく、ロスなくボールを捉えれます。頭の動きも小さく、軸足も安定するなど、技術的に欠点らしい欠点がありません。 <課題> 何でも対応しようという意識が強いのか、逆に自分がここなら打てるという、絶対的なポイントがないようにも思います。当ててしまえるからこそ、難しい球にも手が出てしまう。そういったボールの絞込みこそが、今後の課題かもしれません。けして柔軟性に優れ、人が打てないところまで捌けるような天才肌ではありませんので。
更新日時:2012.09.18
将来の可能性
守備・走塁でのアピールには欠けますが、打撃は強打の日大三高で揉まれてきた経験は今後も活きるはず。ただ先にも述べた通り、自分の打てるゾーン絞り込み、ここなら絶対に捌けるというコースの球を逃さない「鋭さ」を養って欲しいと思います。このままだと、器用貧乏で終わってしまう可能性も否定できません。技術的には完成していますので、これからは自分で考えてアレンジして行く感性と発想力を膨らませていって欲しいと思います。
更新日時:2012.09.18
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