高橋 匠選手 (山形中央)

高橋 匠

球歴:山形中央

都道府県:山形

ポジション:外野手

投打:右 / 左

身長:174.0 cm

体重:73.0 kg

学年:卒業

寸評

 昨年2年生ながら、甲子園で4番を打った強打者です。決勝戦の鶴岡東戦では、カーブを上手く貯めてライトスタンドに。凄みよりも、上手さが目立つタイプ。昨夏のレポートと比較しながら、今回取り上げてみたいと思います。  (守備・走塁面)  昨夏の観戦ではあまりわからなかった、中堅守備についてわかってきました。非常に打球への反応、落下点の入りに無駄がなく、中堅守備はA級の外野手です。守備範囲も広く、地肩も基準レベル以上はありそうな勢いのある返球をします。こと守備に関しては、どのレベルに混ざっても売りにして行けるのではないのでしょうか。  走力に関しては、この夏の大会ではハッキリ計測できませんでした。昨夏計測した時が、塁間4.4秒台だったことを考えると、基準を上回るような走力が身についているとは考え難いです。実際試合を見ていた感想では、基準レベルから少し下かなあという印象で、将来的に足を売りにして行くことはなさそうです。 (打撃内容)  昨年は4番打者でしたが、今年は3番打者として出場。対応力と長打力を兼ね備えた打撃は健在で、私が観戦した鶴岡東との決勝戦でもライトスタンドに、上手くカーブを引きつけて叩きこんでいました。 <構え>  前の足を軽く引いて、グリップの高さは平均的。腰の据わり具合は平均的ですが、両目で前を見据える姿勢もよく、全体にバランスが取れた構えです。特に懐が深く、ゆったり構えられているところは、投手としても投げにくい印象を与えるでしょう。 <始動>  一度投手の重心が沈むときに、開いていた足を真っ直ぐ戻し爪先立ちします。本格的に始動し直すのは、投手がリリースを迎えてから。そのため始動が遅すぎて、一定レベル以上の球速・切れに対応するのは厳しいと考えられます。現状、外角に速い球を投げていれば打ち取れる、そんな印象を持ちました。遅すぎる始動のタイミングは、昨夏から変わっていません。 <下半身>  足を小さく跳ね上げ、ベースの外側に踏み出すアウトステップを採用。左の好打者らしく、引っ張って巻き込む打撃を得意にします。踏み込んだ足元もブレずに捌けるのですが、外に速い球を投げると力負けします。ショートの頭の上を、チョンとバットを出してヒットを打つこともありますが、基本強く叩けません。現状は、内角よりの球を引っ張って巻き込むときに長打が生まれるといった感じでしょうか。 <上半身>  打撃の準備である「トップ」を作るのは、平均的。少し遅れる時もあるので、始動が遅すぎることを考えると早めを心がけたいですね。バットを振り出すときに、肘が下がって体から遠回りに出てきます。そのぶんスイングの弧は大きく、長打を生み出す原動力にはなっています。内角の球には綺麗にバットが振り抜けますが、外角の球にはドアスイングにならないように、バットの先端が下がらないことを心がけてスイングしています。ただ外の球は強く叩けず、当てるのが精一杯という感じで脆さを露呈します。昨夏からそうですが、スイング軌道の欠点とスイングのキレに関しては、あまり欠点が改善されていませんでした。 <軸>  足の上げ下げが小さいので、目線のブレは小さめ。体の開きは我慢でき、軸足にも粘りを感じます。体軸の安定感に優れたものがあり、安定した打撃が期待できるタイプだと考えられます。
更新日時:2011.09.29

将来の可能性

 確かに昨夏から光るセンスの持ち主なのですが、欠点も多く、その多くが改善されないまま最後の夏を迎えました。そういった問題意識を持って、取り組んで行くという部分では、上のレベルの野球を目指すには物足りないように感じます。  守備に関しては申し分ないのですが、走力が無い点や打てるコースが限定されたり、仕掛けが遅すぎてスピードへの対応に苦労することが予想されるなど、今後が心配されます。ただ持っているものは好いので、これから進む世界でぜひ改善して欲しいですね。目に見えて大きな成長が感じられなかったのは残念ですが、今後の活躍に期待です。
更新日時:2011.09.29

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