野呂田 漸選手 (秋田中央)
逸材コラム
コラムより抜粋(2019年8月8日) 1年生らしからぬ捕手だ。ネット裏の間では野呂田 漸の攻守の力量の高さは評判となっていた。174センチ70キロと決して体格的に恵まれているわけではない。だが、所作が高校1年生とは思えないぐらい落ち着いている。エース・松平 涼平の持ち味を発揮する好リード、ピンチでも慌てない立ち居振る舞い、間の取り方の上手さ、地肩はそれほど強くないが、持ち替えが速いスローイングと、1年生としては高度な技量を持った捕手だ。 その野呂田は1年春からスタメン起用されている。その理由について秋田中央の佐藤幸彦監督はこう語る。 「なかなか勝てない中央高校といわれ、勝つには何か変化が必要だと考えました。そこで適任だったのが野呂田だったのです。技量も含めて、1年生らしからぬ落ち着きがあり、彼に託そうと思いました」 野呂田の抜擢は夏に実る。春は緊張してしまい、思うような働きができなかった野呂田は「夏ではなるべくタイムを取って投手を落ち着かせようと思いました。春では緊張で何もできなかったんですけど、夏は考えて動けるようになったと思います」 懸命に動く1年生に、先輩たちも支えた。野呂田は「先輩たちはとても優しくて、いろいろ支えてもらいました」と感謝の思いを述べたが、愛されるだけの人間性が備わっている。 3年の武田 楓は野呂田の人間性についてこう語る。 「素直で、しっかりと練習しますし、それでいて試合になるとあの落ち着いて捕手としてプレーができるのはとても尊敬します。普段は素直なので、とても可愛い後輩です」 1年生で試合に出られる選手といえば、物おじしない強気な選手が多く、その選手の素顔を知るべく、先輩からその選手の人柄を聞くと、「あいつはなめている。先輩を先輩と思っていない」と笑いながら冗談を言うことがあるのだが、野呂田は非常に真面目で、大人相手でも自分の考えをしっかりと話せるクレバーさを感じる。真面目で、大舞台になると、硬くなる選手は多いが、真面目で、自分の考えを話せて落ち着いてプレーできる選手はなかなかいない。そういうところが指揮官に評価されたのだろう。 [stadium]甲子園[/stadium]初陣となった立命館宇治戦では内角球で強気に攻めることを指示。試合には敗れたが、エラーのみの1失点に抑えたのは大きく評価できる。野呂田は今回の反省点について、「制球が乱れる投手に対して導き方に課題があると感じました。投手のリードの仕方、接し方でまだ課題が多いことが分かりましたので、[stadium]甲子園[/stadium]の課題を秋に生かして、また[stadium]甲子園[/stadium]に戻っていきたいです」と再び[stadium]甲子園[/stadium]に戻ることを誓った。 佐藤監督も「メンタルなどは1年生とは思えない落ち着きがあるので、あとはフィジカルなどを強化していけば、来年、再来年には秋田を引っ張っていく捕手になっていくと思います」と大きく期待をしている。 [stadium]甲子園[/stadium]初舞台でも持ち味を発揮した1年生捕手はやがて秋田県を代表するキャッチャーに成長して、[stadium]甲子園[/stadium]に戻って見せる。
更新日時:2019.08.09
短評1
1年生ながら5番打者を打ち、秋田大会でも20打数10安打を記録し、優勝に大きく貢献。また捕手としても正確で力強いスローイングと粘り強いリードで投手を盛り立てる好捕手。
更新日時:2019.08.07