愛工大名電が攻守に中京大中京を上回り、快勝で東海大会へ



愛工大名電・大泉塁翔君

<第75回愛知県高校野球選手権大会:愛工大名電5-0中京大中京>◇2日◇3位決定戦◇岡崎レッドダイヤモンドスタジアム

 この秋の愛知県秋季県大会は、ベスト4の顔ぶれが図らずも、名古屋地区予選決勝トーナメントの4強と同じ顔ぶれとなった。こうしてみると、やはり愛知県の場合は名古屋地区勢が強いということになる。

 そんな中で、東海大会出場枠を競う3位決定戦。負けたら、ここで来春のセンバツへの望みはほぼ断たれてしまうだけに、ある意味では、決勝戦よりもシビアな戦いということが言えるのかもしれない。その負けられない戦いだが、前日は共に準決勝でサヨナラ負けを喫した同士ということになった。勝てば、愛工大名電は3年ぶり23回目、中京大中京は2年ぶり42回目の東海大会出場ということになる。

 前日の準決勝、どちらも厳しい試合を戦い、サヨナラ負けしている。その悔しさを吹っ切って、新たな気持ちで向かいたい3位決定戦だ。

 先攻の愛工大名電は先頭の河田 凌太郎内野手(2年)が右前打で出ると、バントで送り、続く石見 颯真内野手(1年)がちょこんと外の球に合わせて、これが左前適時打となって、愛工大名電に1点が入った。中京大中京の先発左腕の中井遥次郎投手(1年)も、まだ試合に馴染みきれていない中での、愛工大名電の先制得点という感じだった。

 ただ、そこから試合はほとんど動きはなく、中盤へ向けて膠着気味になっていく。中京大中京・中井と、愛工大名電笹尾 日々喜投手(2年)の両投手の投げ合いという展開になっていった。

 結局5回を終わって、安打は愛工大名電は初回の2本、中京大中京も3回と5回の単発の2本のみ。

 後半に入って、次のアクションがどうなるのかなというところだったが6回、愛工大名電は9番角 大和外野手(2年)が中前打で出ると、バントと内野ゴロで2死三塁とする。この場面で、またしても石見が左前打して、この日2打点目。コースに逆らわず、上手に合わせた適時打だった。

 さらに愛工大名電は8回、先頭の1番河田が死球で出るとすぐにバントで進める。ここで中京大中京ベンチは当たっている石見を申告で歩かせ一、二塁とする。ここで、愛工大名電・倉野光生監督も仕掛けて、重盗を決める。1死二、三塁となったところで、中京大中京ベンチは再び申告敬遠を指示して満塁策をとる。1死満塁で、途中出場の寺田純平外野手(2年)だったが、しぶとく転がして三遊間を破って貴重な3点目をたたき出した。さらに押し出し死球で4点目が入ったところで、中京大中京・高橋源一郎監督は中井を下げて同じ左腕の平野渚投手(1年)を送り出した。しかし、交代してすぐ、四球を与えてしまい押し出し。結局この回、愛工大名電は1安打5四死球で3点を奪った。

 そして、愛工大名電は8回からは笹尾を下げて、左腕・大泉塁翔投手(1年)がワンポイント登板し、1年生ながら将来性は大きいと期待されている伊東尚輝投手へと繋いだ。伊藤は打者5人に対して4三振を奪い、その片鱗を見せた。

 倉野監督は、「名古屋市大会の決勝では負けている相手だからね。喰らいついて行って何とかしようと思っていた。愛知県は上位校は横一線なので、やってみないとわからないというところはありますよ。こうした中で、東海大会へ出られることは大きい。ここで勝つと負けるでは大きな違いがありますからね」と、勝利に安堵の表情だった。

 この夏は、甲子園でベスト8まで残り、新チーム作りの時間があまりなかった中で、ここまでたどり着けて、さらに上のステージへ行けることも喜んでいた。「過去にも、3位校で東海大会に出ても甲子園へ行ったことは何度かありますからね」と、来春のセンバツ出場へ向けて意欲を示していた。

 中京大中京の打線は、トータル3安打で、結果的には三塁へ進めることもできず完敗という形になってしまった。高橋監督も、「まったくいいところがありませんでした。笹尾君にほとんどチャンスを与えて貰えませんでした」と、完全脱帽だった。そして、これから冬を過ごして来年へ向けての課題は、「チームワークの良さで何とかここまで来られたチームなのですが、まだまだ力不足です。体づくりも含めて、パワーアップしていかないといけないし、投手も、もっとスピードをつけていかないと、こうした強いチーム相手には通用しない」と課題を挙げていた。2023年には学校創立100周年を迎える。優勝回数では、全国を代表する高校野球の名門校の1つでもある。それだけに、その100周年には、やはり甲子園に辿り着きたいという思いもあるはずだ。

(取材=手束 仁

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