NPB12球団、MLBも注目。愛知の公立校にいる大型遊撃手・イヒネがポテンシャルを発揮!



プロ12球団が観に来ているという誉・イヒネ君

<第133回全尾張地区決勝大会:17-3誠信>◇29日◇準決勝◇小牧市民

 春の尾張地区2次トーナメント決勝の再現となった試合でもある。

 愛知県内では、圧倒的に力のある名古屋市内の私学勢力を追いかけたい尾張地区。は、3年前にその壁を破って悲願を達成して、令和最初の愛知代表になっている。それを見て、入学してきた選手たちが最終学年になった。この代は、入学した時からコロナ禍で、なかなか本来の形での高校野球をやり切れなかった代でもある。そんな世代の最後の夏が近づいてきている。の選手たちも、そんな中でもなんとか自分たちの思いを追いかけて挑んできた。では、大型遊撃手としてイヒネ イツア内野手(3年)が注目されているが、既にNPB12球団すべてとMLBからも何球団かが視察に訪れているという。

 それだけ注目を浴びる中でイヒネは、この日も4打席で3安打3打点。この日はシングル安打のみだったが、一歩の幅も広くストライドがあり、長打の際にはベースを蹴ってからの走力はさらに加速していくという。そうしたトータルの魅力がある選手である。このままいけば、今秋のドラフトでは上位指名は間違いないという逸材である。

 は初回、2死走者なしからそのイヒネの右前打から四球と原田 琉翔捕手(3年)の三塁線を破る適時打で先制。さらに続く茂山 亮太外野手(3年)も中前打してこの回2点。そして、3回には1死後、失策でイヒネが出塁してから間井 蒼生内野手(3年)、原田、茂山と3連打。茂山の左越え三塁打は強烈に相手を突き放した。さらに、四球や2番前平 凌成内野手(3年)の二塁打にイヒネの右前適時打など、この回打者11人で大量8点を奪って試合をほぼ決定づけた。

 それでも、11点差を追いかける誠信も負けじと追いすがりたいところだ。昨秋の全尾張大会では優勝しており、今春の尾張地区予選では決勝でを下して1位校として県大会進出を果たした。もっとも、シードで挑んだ県大会では初戦で同地区の愛知啓成に敗れて悔しい思いもしている。大量リードされたが、何とか意地も示したいところでもあろう。

 の先発左腕、山川 敬太投手のクセ球にはやや手こずっていた印象の誠信だったが、4回から登板した渥美 匡矢投手(3年)に対しては2番太田 雄斗内野手(3年)以下、細江 悠斗外野手(3年)、代打西村 由都(3年)、伊藤 実成内野手(2年)の二塁打と4連打に暴投で3点を奪い渥美を引きずり降ろして意地は示した。

 しかし、の勢いは衰えず、5回にも誠信の3人目となった水家 一晟投手(3年)に対して、9番松下 哲照(3年)が二塁打すると、そこから四球と失策でチャンスを広げ、イヒネの強烈な中前打や暴投に、さらに死球や失策も重なって打者10人で6点が追加された。こうして、は5回で17点を奪うという猛攻だった。尾張地区の強豪私学対決だっただけに、試合前は予想もしなかった大量点差の5回コールドという形には驚きでもあった。

 の矢幡真也監督は、「確かに、令和元年の年に甲子園出場を果たしたことで、今まで以上に意識もポテンシャルも高い選手たちが来てくれるようにもなりました。ただ、この代はどこもそうでしょうけれどもコロナで十分に高校野球がやれなかった世代でもあります。だけど、そんな選手たちが一生懸命にやってくれています。その最後の夏にいい思いをさせてあげたい」という思いも強い。チーム力としては、正捕手として予定していた選手がケガで欠場しているということもあり、やや模索中だ。そうした中で投手陣も競い合いながらそれぞれが伸びてきているので、夏へ向けての期待は大きいという。

 今春の県大会では2回戦で愛知商に屈してしまった。だから夏はノーシードということになるが、中京大中京至学館愛知産大三河と並んで、強豪校にとってはノーシード爆弾の恐怖校の一つということになりそうだ。

(取材=手束 仁

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