中京大中京、先制本塁打は浴びたが、すぐに逆転、最後に自力発揮



5回2/3で7三振を奪った中京大中京・高橋宏斗君

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 やっと、梅雨明け宣言が出て、晴れた週末を迎えられた愛知県の岡崎市民球場。今度はいきなり34度を超える暑さとなった。

 今大会の大本命とも言われている中京大中京の雨で延び延びとなっていた4回戦だ。中止となった選抜の救済措置としての交流試合の対戦相手は智辯学園ということで決まっているが、印出 太一主将はじめ選手たちは、昨秋の明治神宮大会を制した時から、選抜と夏の選手権の三冠を達成したいという思いを強く持っていた。

 しかし、それらの大会が中止となってしまったことで、「自分たちの代は、無敗で終わりたい」という目標を設定したという。そういう個々の意識が非常に強いチームでもある。「試合数が限られているので、今は一つひとつの試合の意味が、より重くなっていく」ということも実感として得ているという印出君だ。

 これに挑む栄徳は、試合前から元気だった。先発した奥村君は、「中京大中京相手に投げたくて投げたくてしょうがなかった」というくらいに気持ちが入っていた。その勢いに誘われたかのように、栄徳が試合をリードしていく。

 3回に先頭の後藤君が二塁打してチャンスを作りかける。そして4回、一死から3番猪熊君が左翼スタンドへ運んで先制本塁打となる。さらに、小笠原君も安打したところで、中京大中京は注目のエース高橋 宏斗君が登場。まずはストレートばかりで三振、遊ゴロと抑えた。最速は152キロを表示。

 1点を奪われて中京大中京もすぐに反撃。2番中嶌君が内野安打で出ると、死四球で満塁となり、吉田君も死球を選んで押し出しで同点。栄徳の奥村君もちょっと力んで球筋がばらついたかなと言うところだった。さらに、南谷君が右犠飛を放って逆転となった。

 しかし、そこからは栄徳の奥村君、さらには2番手の小川君を中京大中京打線も、なかなか攻略しきれず、4回の得点のみで、お互いに0を重ねていった。

 それでも、中京大中京は8回、村上君と西村君と安打を連ねてチャンスを作り、3番中山君の右前打で満塁として、4番印出君が中越三塁打で走者一掃。最後に、やっと強打線の片鱗を見せた。

 中京大中京高橋 宏斗君は5回2/3で7奪三振。「意識的に、一番自信のある、まっすぐで勝負した」と言う高橋 宏斗君だったが、この日も3回あたりから準備して、満を持してという気持ちでこの大会最初のマウンドに登った。

 中京大中京の高橋源一郎監督は、「相手の奥村君のナイスピッチングに苦しみました。だけど、こういう戦いもあって勝っていくのが夏です」と相手の投手の好投を称えた。その一方で、全員が3年生で挑むこの大会は、「ここまで努力して頑張ってきた3年生のための舞台」という思いもある。

 先発の飯島君については、高橋監督は「よければ二廻りくらいまで行って欲しいなとは思っていたけれども、一廻りしたところで、ちょっと捉えられてきたかなと言うところで、一発を食ってしまいました。さらに安打も出たので、流れも悪くなりそうだったのでそこで代えた」ということだった。リリーフしたエースの高橋 宏斗君にはこの日は行くぞということは伝えており、万全の形のリリーフとなった。

 打線に関しては、「ちょっと、苦しみましたが、これから上げていきます」と結んだ。

 栄徳の中野幸治監督は、「投手は、よく投げました。中京相手に早く投げたいということで、気持ちも張っていたのだと思います。ただ、打線は打てませんでした。今年はどこもそうでしょうけれども、(練習試合などで)追い込みが出来ていませんから、どうしても打線はこうなります」と振り返っていた。そして、「明日からはもう、新チームをスタートしていきます」と先を見据えていた。

(取材=手束 仁