序盤のリードを守り切った豊橋中央、持ち味十分出せた「守りの勝利」



9回2失点で投げ切った豊橋中央・大羽君

  午後になって、11月とは思えないくらいの陽気になって、10月初旬のような日差しが照った豊橋市民球場。絶好の野球日和とも言えるが、そんな中での全三河大会決勝戦。

 岡崎工科は平松忠親監督が、「この大会を通じて、成長させたい」ということで背番号1で登録している片上君が先発。しかし、片上君の立ち上がりを豊橋中央は鋭く突いてきた。

 豊橋中央はいきなり先頭の糟谷君が中前打で出る。バントは失敗で二塁で刺されたものの、3番星野君との初球エンドランが見事に決まって一三塁。続く中川君が中犠飛を放って先制。さらに仲谷君、近藤大雅君の連打で2点目が入った。豊橋中央の早いカウントからの積極的な打撃が光った。
3回にも豊橋中央は先頭の星野君が中前打して、中川君四球で無死一二塁。仲谷君が送って一死二三塁としたところで、平松監督は片上君を諦めて、県大会で1番をつけていた左腕柵木君を送り出した。その初球を近藤君が中犠飛として3点目が入った。

 しかし、その後の試合は膠着して、柵木君と大羽君の投げ合いという展開で進んでいった。大羽君は左腕から切れのいい投球だ。ストレートのスピードとしては130キロを超える程度かもしれないが、球のキレ味がいいのは指の必須すりがよくて、いい回転のボールが行っているということであろう。
 結局、スコアはそのまま動かず、豊橋中央が1点差を守って逃げ切った。

 豊橋中央は、行ってなさを守りきった形になったが、チームとしては「守り切って勝つこと」は萩本将光監督としてもイメージしていたチーム像でもある。それだけに、「守り切れたのでよかった」ということを強調していた。

 また、大羽君に関しては左腕からキレのいい投球をしていたのだが、「調子そのものは悪くなかったけれども、『調子がいい時こそ気をつけろ』と言っていたことが4回に表れて二塁打と中前打で点を取られていくという展開。これは、大きな反省材料です」と厳しく見つめていた。それでも、そこで止められたところで、勝負としては何とかこらえきれたということであろう。

 とはいうものの、しっすりとみすえている。大羽君の投球そのものは決して悪い内容ではなかった。4回こそ3安打を集中されたものの、トータルでは6安打のみ。9回に一死から氏平君の三塁打でピンチを迎えたものの、そこは踏ん張って最後は3直併殺という形で終わったのは、そこまで辛抱して踏ん張っていた大羽君に対して、野球の神様が「これでいいだろう」と判定してくれたということのような気もする。そんな試合展開でもあった。

 岡崎工科の平松忠親監督は豊田工科からの異動でこの4月から指揮を執っているが、「1年目から、これだけ楽しめる野球をやらせてもらえるだけでも満足ですよ」と言いつつも、「細かい攻め方とか、どういう攻め方をしていくのかということをもっと伝えられていけば、もう一つ上へ行けるのではないか」ということは実感しているようだ。過去には甲子園出場という実績もある岡崎工である。周囲の期待も担いながら、激戦の西三河地区から抜け出ていくことに対しても、しっかりと見据えていた。

記事=手束 仁

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