2018年10月07日 熱田愛知時計120球場

東邦vs中京大中京

2018年秋の大会 第71回愛知県高校野球選手権大会 決勝戦
印刷する このエントリーをはてなブックマークに追加   

名門対決は、東邦が地力を示して連続優勝



初回にまず先制タイムリーを放った東邦・石川昂弥君

 前の試合が4時間を超える長い試合になったということもあって、試合開始が予定よりも約2時間半遅れてのプレーボールとなった。選手たちはいささか待ちくたびれたであろうが、愛知県高校野球の伝統の好カードとなった決勝の試合を期待して詰めかけた多くの高校野球ファンも、待ちくたびれたところだったかもしれない。因みに、この両校が決勝で雌雄を決するのは、2009年の秋季県大会以来のことになる。

 14時56分にプレーボールとなった試合。照明塔のない熱田球場だけに、日没で試合が成立しないことがあれば、翌日再試合(刈谷球場)もあるということも事前に告げられた。

 ともに東海大会進出は決めている両雄。この日の先発は、東邦は大型三塁手の3番打者として1年生から注目されている石川 昂弥君がこの夏から投球練習を始めたということで二刀流として3番投手で登場。中京大中京は、期待の1年生と言う背番号20の松島 元希君が先発。

 打線はその立ち上がりを共に捕まえて、まず東邦が打者として石川君のタイムリーで先制すると、その裏中京大中京は2番中山君の左翼へ運んだソロアーチで返す。すると、今度は東邦が7番成沢君の左中間ソロアーチで突き放す。追いかける中京大中京はその裏、二死二塁から関岡君の中前打でまたまた同点とする。こうして序盤は1点ずつの追いかけっこになった。

 3回の東邦は1番からの好打順になったが一死から四球と失策で一二塁となると、4番熊田君が左翼線に二塁打してまたもリード。なおも四球と内野安打で追加すると、中京ベンチは松島君を諦めて、2番手として高橋宏夫斗君に交代。東邦は、犠飛と吉納君のタイムリーでこの回4点を挙げた。

 東邦は4回にも四球の走者を進めて失策で帰し、5回には二塁打で出た坂上君が暴投で三進して仲間君の犠飛でさらに点差を広げていった。

 追う中京大中京は5回には、関岡君の中前打と野選後突如制球の乱れた石川君から押し出しで1点を返す。6回にも2人目の植田君に対して四球の古瀧君を一塁に置いて、関岡君の二塁打で追い上げた。

 東邦は、8回途中から3人目として奥田君を送り込む。森田泰弘監督は比較的早いタイミングで投手を交替させていっていた。これについて、森田監督は、「ウチは投手を4枚用意しているので、それぞれがいけるところまで行って、すぐに次へつないでいくということは考えていた」ということでもあり、誰を温存してとか、そういう考え方はなかったようだ。この日は、まず石川君で行って、機を見て植田君へつなぎ、その後は奥田君という流れで相手打線を封じ切れたということであったようだ。打線も、石川君と熊田君という前チームからの経験のある中軸がしっかりと機能していたことも大きかった。こうして、終わってみれば東邦は評判通りの力を示したと言っていいのではないだろうか。

 また、中京大中京も6回からはエースナンバーのこの日は5番一塁手で出場していた板倉君が登板。板倉君は、左の腕の出し方を自分自身で工夫しているというが、この日は従来までよりもさらに下げて、ほとんど左サイドに近い形の投げ方となった。これが東邦の強打線を巧みにかわしていくことになり、結局リリーフした6回以降は1安打のみしか許しておらず、高橋源一郎監督も、「振り切ってくる強い打線相手には、板倉のタイミングを外していく投球が有効だということが分かった」ということで、試合の勝敗はともかくとして、先を見据えていく中では、板倉君が自ら考えながら投球術を上げて行っていることには期待しているようだ。

 また、先発した松島君と2番手として登板した高橋君ら、1年生でいい投手を育てていきたいという思いもある。そして、そのためにも、「内野がしっかりと守ってあげないといけません。エラーが出るのはある程度は仕方のないところもあるのですが、(エラーの)出方がよくない。本来、上級生の内野が引っ張っていってあげないといけないのだけれども、逆に甘いところが出てしまった。そこが一番の課題」と、東海大会へ向けても、もう一度守りの強化をテーマとしていた。

 なおこれで、東邦は秋季県大会は2年連続優勝。東海地区大会は4大会連続出場となった。また、中京大中京も秋は3年連続で東海大会出場を果たしている。昨年は初戦で思わぬ敗退を期しているだけに、躍進を期待したい。

(文=手束 仁

この記事についてTwitterでつぶやく この記事についてFacebbokに投稿する
【関連記事】
【近畿・東海】滋賀学園や東邦がV!この秋の1年生大会の優勝校、準優勝校一覧 【ニュース - 高校野球関連】
中京大中京の中山礼都に、身長2mの大型内野手&左腕など有望株がズラリ!巨人の高卒選手たち【ドラフト総括】 【ニュース - 高校野球関連】
中京大中京vs県立岐阜商【2020年秋の大会 第73回秋季東海地区高等学校野球大会】
第280回 北海道の速球王など2021年度注目の高校生投手リスト32名【東日本編】【ドラフト特集コラム】
第1100回 東都三部に潜む153キロ右腕・近久輝(東農大)の成長の原点は高校時代のコーチがあったから【後編】 【2020年インタビュー】
第1099回 藤嶋の陰に隠れて、プロ注目の153キロ右腕となった近久輝(東農大)。劣等感を抱えていた東邦時代【前編】 【2020年インタビュー】
県立岐阜商vs東邦【2020年秋の大会 第73回秋季東海地区高等学校野球大会】
中京大中京vs海星【2020年秋の大会 第73回秋季東海地区高等学校野球大会】
東邦vs加藤学園【2020年秋の大会 第73回秋季東海地区高等学校野球大会】
第1020回 今年の東海大会は中京大中京、県岐阜商、藤枝明誠が中心か?各校、戦力が充実【大会展望・総括コラム】
第5回 【12球団ドラフト指名予想】中日は地元路線だと中京大中京の高橋宏斗がトヨタ自動車の栗林良吏が有力?【プロ12球団ドラフト分析2020】
第269回 【2020年ドラフト】ドラ1必至の最速154キロ右腕・高橋宏斗(中京大中京)の3年間の軌跡【ドラフト特集コラム】
中京大中京vs至学館【愛知県 2020年秋の大会 第73回愛知県高校野球選手権大会】
第137回 福原、畔柳、藤森…2018年U-15代表のコーチが語る逸材たちの素顔【東日本編】【高校野球コラム】
第1139回 センバツで見たかった世代屈指の剛腕・高橋宏斗(中京大中京)。なぜ圧倒的な投球をテーマにしているのか? 【2020年インタビュー】
第1137回 ノーステップ打法で打撃開花。世代トップクラスのショート・中山礼都(中京大中京)は選抜の活躍で夢叶える 【2020年インタビュー】
第1135回 評価急上昇の巧打堅守の2番セカンド・中嶌優(中京大中京)はチームメイトも認める努力家 【2020年インタビュー】
中京大中京 【高校別データ】
東邦 【高校別データ】
第71回 愛知県高等学校野球選手権大会 【大会別データ】

応援メッセージを投稿する

愛知県地域応援スポンサー

愛知県の地域スポンサー様を募集しております。

試合記事トップに戻る サイトトップに戻る