2018年10月07日 熱田愛知時計120球場

春日丘vs西尾東

2018年秋の大会 第71回愛知県高校野球選手権大会 3位決定戦
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大乱戦は2ケタの点の取り合いが延長にもつれ23点の中部大春日が西尾東に辛勝



中部大春日丘・大島歩土君

 東海大会進出を賭ける形となる3位決定戦。春日丘愛工大名電を下して勢いに乗っていた豊橋中央などを下しての進出。西尾東は3回戦で享栄を下しての進出である。昨日の準決勝では春日丘中京大中京に敗れ、西尾東東邦に力負けしたというところから、一日でどう立て直してきたかという戦いになった。

 昨日は準決勝を意識したということもあったのか立ち上がりに四球を連発して4点を失った西尾東の山田君。この日は慎重に入って、まずは三者凡退でスムーズな立ち上がり。春日丘の伊藤優吾君は前日リリーフしたが、わずか一人に対して投げただけだった。それだけに肩の負担もなかったようで、リラックスしてこちらも三者凡退の立ち上がり。

 この段階では、ロースコアの戦い、せいぜい4~5点の攻防になるのかなと思われた。

 試合は3回に動く。春日丘は先頭の9番宮﨑君が両チーム通じて初安打で出ると、一死後四球もあって一二塁。3番瀧本君が粘った末に中越二塁打して2者が帰る。さらに、江崎君は右翼席へ放り込む2ランで春日丘に一つの分岐点とされていた4点をリードした。

 ところがその裏の西尾東もすぐに反撃。

 一死後、山田君と内藤君という下位が連打すると1番小柴君も続いて3連打で満塁。ここで春日丘の齊藤真監督は伊藤君から、昨日にも先発したエースナンバーの左腕泉君を投入。ところが、泉君が代わり端、制球がまとまらず連続四球で2押し出し。さらに4番加藤 健輔君がしぶとく三遊間を破って2者が帰って同点。なおも連続四球で押し出すと、早くも3人目の大島君がマウンドに登った。しかし死球で押し出すと、併殺かと思われた打球も送球ミスがあってさらに2点が入り、この回8点というビッグイニングで大逆転した。

 そして西尾東は4回にも一死二塁から、神谷君の中越二塁打、加藤君の中前へのタイムリー打と、3四球もあって、3点が追加された。それでも、春日丘も5回、竹ノ内君と瀧本君、代打乾君の3連打に暴投と、ボテボテの内野安打に1番網代君の中前打などもあって、この回5点を返して2点差。

 こうなってくると、試合そのものもわからない展開となってきた。

 西尾東もその裏、3度目の一巡で3点を加えた。こんな展開だから、5回を終えた段階で1時間59分という長い試合になってしまった。

 ただ、こういう展開でも、後半に入ったらリセットされることも多いのだが、この試合はそうはならなかった。6回にも春日丘が2度目の打者一巡で山本雄大君の二塁打などで3点が入る。

 どちらにどう転んでいくのか、行方の分からない乱戦となってきた。7回には西尾東が二死走者なしから、敵失と9番内藤君の安打で一二塁とすると、7回途中からリリーフしている小柴君が中越へ三塁打。2点を加えて自身の投球を楽にした。

 小柴君は遊撃手からの登板だったが、気迫を前面に出す投球だった。何とか2イニングを抑えていたが、4点リードした9回、死球、失策、右前打で満塁となり、途中から入っていた4番乾君が右越へ本塁打。まさに起死回生の満塁本塁打となった。こうなると、さすがに春日丘の流れになっていく。

 延長に入って春日丘は代打柴田君の中前打に始まって、バント安打の送球ミスもあって17点目が入り、さらに瀧本君のタイムリー打に鈴木翔也君の犠飛などで、両チーム合わせてこの試合6度目の打者一巡以上の攻撃で3点を加えた。

 さすがにこれで決着かと思うとこだろう。ところが、西尾東はさらにとんでもない粘りを見せてくれた。裏も一死一三塁から、4番加藤君がライナーで左翼席に放り込む同点3ラン。野球漫画でも、こんなストーリーはドラマチックすぎて描けないくらいのものだった。

 これで、試合はまだまだ続いていくこととなった。

 12回、春日丘は一死二三塁から7番横井君の犠飛で20点目を挙げる。さらに二死一三塁で9番の宮崎君が気迫で運んだ左翼への3ラン。まさかという場面での一発だった。そしてその裏は、1失点のみで抑え、最後は精根尽き果てた形で、足が攣ってしまい、三塁手から急遽登板した横井君に任せて退いた。そして、横田君が1球で仕留めて長い長い試合はピリオドを打った。

 春日丘齊藤真監督は、「ロースコアの試合をイメージしていたのですが、とんでもない試合になりました」と苦笑しながらも、「最後まで諦めないでやってくれたことがこうした勝ちにつながった」と、ただただ選手たちのひたむきな粘りを称えていた。「12回も1点だけだったら、その裏に逆転サヨナラされてしまう展開だと思うんです。だから、宮﨑の本塁打は貴重だった」と、試合の流れも終始冷静に見つめていた。

 東海大会出場へ千載一遇のチャンスを逃した西尾東の寺澤康明監督は、がっくりと肩を落としていた。「何度も勝機はありま視したが…」と悔しがった。「一番悔やまれるのは4点リードして併殺を焦ってのエラーでしたね。あそこで一つでもアウトが取れていたら少なくとも満塁本塁打はなかったわけですから…」と振り返りながらも、「でも、10回に3点リードされたのをまた追いつけたりと、そういった粘り、強さは素晴らしいと思います。こういう結果でしたが、大会を通じて収穫はありました。ただ、何かが足りないものもあるんです」と謙虚に振り返った。そして、「勝ちたかった、勝てた試合でしたよね」と、再度確認するかのように語っていたのが印象的だった。

 それにしてもすさまじい試合だった。初回の3者凡退は何だったのかと思えるくらいの遠いことで、4時間23分という2試合分の時間とスコアを要した試合だった。春日丘と言えば、県内ではラグビーの強豪校で花園の常連校でもある。だからということではないだろうが、まさにラグビースコアを制した試合となった。

 もちろん、細かい部分では指摘されることも多い内容かもしれない。だけれども、こういう戦いをした両チーム、確実に何かを得たはずである。それを、それぞれが次へ生かしていって欲しいと思っている。

(文=手束 仁

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応援メッセージ (1)

西尾東目指せ!東海大会出場権獲得2012BEST4 2018.10.06
やっぱりこの壁は高かった。でも秋は東海大会がある!西尾東未到の境地へ!!!!!!

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