四街道vs日大習志野

　Cシード・四街道が序盤から試合を優位に進めた。一死二、三塁から4番山本 永吉（3年）の適時二塁打で2点を先制すると、4回裏には古滝 和哉（3年）の適時二塁打で1点を追加して、3対0とする。

　投げてはエース・織田 諒也が快投。織田はなかなかの好右腕。セットポジションから始動し、左足をゆったりと上げていき、インステップ気味に踏み込んで、腕がちぎれるような、振りをしていて、リリース時にしっかりと肘が立った状態でリリースすることができており、強いストレートを投げることができる。球速は、135キロ前後だが、それ以上と感じさせるストレート。また120キロ近いスライダーも良く、右打者から背中越しから感じさせるために、三塁側のプレートに立っている。

　回転数の高いストレートは異質で、今年の千葉県には、サイドスローで140キロ近い速球を投げる伊藤陸人（千葉明徳）がいるが、速球の質では織田の方が上で、大人の肉体になっていく過程で、常時140キロ台、145キロ前後へと速くなる可能性は持っており、将来的には又吉克樹（中日ドラゴンズ）型の投手へ成長する可能性を持った投手ではないだろうか。その可能性を信じ、貪欲に野球を追求し、テクニカルを極め、体作りができるかは、織田自身である。

負けじと日大習志野は途中から登板したエース・木原 基秀が力投。コンパクトなテークバックから球もちの良さを長所とする右のスリークォーター。速球は、常時130キロ～136キロと突出して速いわけではないが、130キロ前半のストレートを両サイドに投げ分けながら、出し入れできる技術は今年の千葉県でも上位に入るほど。そして一番の武器は、スライダー。125キロ前後とストレートと球速差がそれほど変わりなく、打者の手元で鋭く曲がる精度の高さがあり、高校生としてはハイレベル。カーブ、チェンジアップを織り交ぜながら投球を構成し、走者を背負ってからの投球は必見。簡単には点を与えない投球ができていて、頭脳と気持ちの強さが出た投手だ。十分に大学で続けられる技量を持った投手である。

　両エースの投げ合いで、引き締まったこの試合を制したのは四街道。織田は4安打完封勝利を挙げ、5回戦進出を決めた。

　ナインから史上最弱といわれた四街道ナインが、一戦勝ち進むごとに強さを増している。次は夏最高戦績のベスト8を目指す戦いが始まる。

（レポート＝河嶋宗一）

(文＝河嶋宗一)

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