成田vs稲毛
成田、稲毛の粘りを上回る粘りの野球でベスト16!
実はこの対決、因縁の対決だ。2006年の夏、シードで迎えた成田は、稲毛と対戦。しかし、先発の唐川 侑己(現・ロッテ)が不調で、稲毛打線に打ち込まれ、初戦敗退を喫した苦い経験がある。稲毛はこの勢いに乗って、ベスト4まで勝ち進んでいる。
試合は前評判通り、1点を争う好勝負となった。
先制したのは成田。1回表、2番尾島一晟(3年)が四球。3番田宮 裕涼(2年)がレフトへポテン安打で一死一、三塁とチャンスを作ると、4番宮川将平(3年)の中犠飛で1点を先制する。2番尾島が四球。3番田宮がレフトへポテン安打で一死一、三塁。4番宮川将平(3年)の中犠飛で1点を先制する。
幸先よく2点を先制した成田だが、稲毛が4回裏に、3番仙田渉太(2年)、4番松島大輔(3年)の連打、さらに5番大和地 達樹(2年)の時に敵失で無死満塁。6番金田 知哉(3年)は浅い左飛で突っ込めず。7番石川 大修(3年)はスクイズ。これがエラーを呼び込み、1点を返す。8番小野駿弥(2年)は一塁線へ鋭いゴロ。一塁・中島は一塁ベースにグラブタッチするのがやっと。同点に追いつく。同点の仕方が、小技を発揮する稲毛らしさを発揮した瞬間であった。
その後、お互い走者を進めるが、なかなか点を奪うことができず、7回表、成田は一死二塁から1番藤代恭輔(3年)の右中間を破る適時二塁打で勝ち越しに成功した。
投げてはエース・小田託未(3年)が右腕から常時120キロ後半~132キロ前後のストレート、スライダー、カーブ、チェンジアップを投げ分けていく投球。要所で、低めに決まる速球が冴えわたり、ピンチを何度も許し、9回裏には、二死一、二塁のピンチを招いたが最後は右飛に打ち取り、試合終了。5回戦進出を決めた。
今年の成田は去年のように個人の能力は高くない。しかし要所で守り切る守備力、精神力の強さはさすが。大物食いに定評のある稲毛の野球に屈することなく、ベスト16進出を決めた。
稲毛は2年生のベンチ入りが多く、ベスト32まで経験できたのは非常に良かったのではないだろうか。接戦に持ち込んだのはエース・松島の投球が大きい。球速は、120キロ程度ながら、コーナーへしっりと投げ分け、変化球もギリギリに集まり、要所を締めるピッチングを見せた。松島の投球は2年生にとって、勝つためにはどうすればいいのか、その指針になる投球だった。秋は激戦区の第1ブロックから県大会出場を目指すが、それを勝ち抜ける実力は持ったチームだ。
(レポート=河嶋宗一)
(文=河嶋宗一)
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