福岡大大濠vs明徳義塾
福岡大大濠が攻守に万全さを見せて、明徳義塾に快勝
好投した先発・三浦 銀二(福岡大大濠)
大会3日目にして、この大会では一番の好天気に恵まれた。11月のまさに小春日和の心地よい日差しが神宮球場を包んでいた。そんな中で、テンポのいい好試合が展開された。
初戦で作新学院に快勝した明徳義塾。これに、九州地区大会を制して、今大会初出場となる福岡大大濠が挑んだ。福岡大大濠は、県大会1位で九州地区大会に進出。大分商、鹿児島実、秀岳館などを下して、同県対決となった決勝では東海大福岡を下して優勝して明治神宮大会進出である。
明徳義塾は中1日となった左腕北本君。福岡大大濠は県大会から九州大会にかけて進境著しいという右腕三浦君の先発だ。その両投手がお互いに持ち味を出しながらの投げ合いとなった。
北本君は1回戦の作新学院戦よりも、いいリズムで投げていたのではないかなという印象だった。また、三浦君はスライダーの曲がりがより精度を増したということで、巧みに打者のタイミングを外していく上手さがある。こうして、序盤は投手戦のまま進んでいった。
4回に明徳義塾は四球と犠打失策で無死一二塁の好機を作るが、その後は三浦君が上手に打たせて取っていった。そしてその裏、福岡大大濠は先頭の古賀君が、出会い頭の一発的なところもあったのだが、左翼スタンドに放り込む見事なソロアーチで先制した。それでも、北本君もこれで崩れることはなく、その後はまた、淡々と自分の投球をしていっていた。
こうなると、次の得点がどうなるのかというところに興味が注がれるのだが、6回に福岡大大濠が追加点を挙げた。クリーンアップからの好打順だったが、3番4番が簡単に飛球を打ち上げて二死。ところが、5番稲本君が左前打。続く西君は左中間を破る二塁打で、好スタートを切っていた一塁走者の稲本君が本塁へ帰った。試合展開からしても、大きな意味のある得点となった。
先発・北本 佑斗(明徳義塾)
明徳義塾の馬淵 史郎監督も試合後に、「2点目の失点が痛かったなぁ」と振り返っていた。
結局、この2点差を福大大濠は三浦君の好投でキープして、最大のピンチとなった7回も、二死二三塁で田中 闘君の右翼頭上を破るかという大きな当たりを平野君がフェンスに激突しながらの好捕で切り抜けた。
福岡大大濠の八木啓伸監督は、「三浦がインコースをうまくついて上手に投げてくれました。相手が明徳さんなので、安心ということはなかったのですが、投球の幅を示してくれてよかったと思います」と、三浦君の成長を高く評価していた。
チームとしても、この日の勝利は間違いなく大きな自信となっていったはずである。とは言え、打線に関しては八木監督も、「飛球アウトが多すぎましたね。これでは、相手に対してプレッシャーは与えられません。このあたりは、修正していかないといけないでしょう」と反省も忘れていなかった。
4安打で完封負けとなった明徳義塾・馬淵監督は、「冬場に、もうちょっと打撃を上げておかんと、センバツで優勝戦線には残れませんよ」と、早くも先を見据えていたが、「全国で優勝争いが出来る」と言い切るくらいに、百戦錬磨の指揮官としては、このチームにはいい感触を得ているようである。それだけに、「あれだけ、ボール球に手ぇ出しとったらあかん」と、反省材料を見つけていっていた。今はまず、その修正を急ぎたいというのが本心であろう。
一冬超えた明徳義塾は、さらに強くなっていそうな気配は濃厚だ。
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