東海大市原望洋vs芝浦工大柏
集中力ある姿を見せてくれた望洋ナイン!2年生右腕・金久保優斗が躍動!
前日の試合、東海大市原望洋ナインはあまり集中力がなかったように感じられた。確かに8点を奪ったが、どこか相手に点をもらったというのが強かった。打ち損じの打撃も多く、勿体ない攻撃が続き、先発の高山佑弥が10安打を打たれるという誤算の内容。仕切り直しとなったこの試合。とても集中力のある姿を見せてくれた。
まず先頭の倉石匠己が出塁すると、4番峯尾京吾(3年)の適時打で1点を先制。一死二、三塁から倉石匠己の適時打でさらに1点を追加。さらに2番鯨井祥敏(2年)の右中間を破る三塁打。3番荒川 太一(2年)の適時打で5対0。さらに3回裏には5番塚本翼(2年)が甘く入ったストレートを逃さず、本塁打で1点を追加。4回裏には峯尾の2点適時打、5回裏には一死二、三塁のチャンスを作り、3番荒川の犠飛、4番峯尾のレフトオーバーとなり、コールドを決めるでサヨナラ勝ちを決めた。13安打10得点。拙攻が目立ったノーゲームの試合と比べると格段に良い出来。芝浦工大柏の真子翔輝(2年)と前日に戦っていて軌道になれていたというのもあるだろう。それでも彼らは自分のタイミングで、自分のフォームで打ち返すことができていた。次々と鋭い打球を飛ばすことができていた。次から投手が変わるとはいえ、ホームベースに来たボールを打つ作業というのは変わりない。仕切り直しとなった一戦で目覚ましい内容を見せてくれた。
そして先発の金久保優斗(2年)は、5回無安打無失点と来年のドラフト候補として推せる内容を示した。春には、たびたび140キロ近い速球を投げ込む投手であったが、コンスタントに130キロ後半~141キロを出すレベルまでに成長。5回まで140キロ以上を出したのは15球。ノーワインドアップからゆったりと左足を上げていき、右足の膝を適度に伸ばしていきながら重心を少しずつ下げていき、コンパクトなテークバックから打者寄りで離すフォーム。球持ちの良さが魅力で、そしてフィニッシュ時には体が絡みつくような鋭い腕の振りで投げ込むフォームは魅力十分。変化球の精度も高く、120キロ~125キロ前後のスライダーは打者の手元で鋭く切れており、簡単にストライクが取れる安心感がある。まだまだ180センチ70キロと華奢だがしっかりと体作りをして、そうしたことでフォームの力強さも出てくれば、145キロに達する可能性があるだろう。
最速153キロ右腕・島孝明が注目されているが、2年ぶりの甲子園出場へ向けて、欠かせない1人が期待通りの投球を見せた。決勝までノンストップで快投を見せることができるか注目したい。
(文=河嶋 宗一)
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