試合レポート

習志野vs成田

2013.07.25

主将が執念の同点打! 習志野が2年ぶりのべスト4!

  習志野成田。両校は近年、ライバル関係を築きつつある。習志野のライバルといえば銚子商。これは異論は全くない。だが近年、成田とは印象に残る対決が多いのだ。2010年夏準決勝では成田中川 諒習志野山下 斐紹。彼らは2011年秋に対戦をしている。結果は5対4と習志野が接戦を制したが、当時の試合を出場していた、あるいはスタンドから見ていた彼らが再び最後の夏で、甲子園出場をかけて対決するのだから、面白い。

 試合は序盤から動く形となる。1回裏、1番吉田 春樹(2年)が中前安打、2番熊澤 陽平(3年)の犠打、3番飯島 将輝(2年)の死球、4番松山 大志(3年)の四球で一死満塁。5番松本 壱成(3年)の犠飛で1点を先制。

 

 2回裏、7番長嶋 善二(3年)の右前安打、8番國吉 竜也(2年)の犠打、9番松島 慶(3年)の犠打で二死三塁となって1番吉田の内野安打でさらに1点を追加。成田の先発・町田 大空(2年)はここで降板。
 

 3回表、9番田村 拓也(3年)は右前安打、1番丹治 光生(3年)の犠打で一死二塁、その後、バッテリーミスで一死三塁として2番内山 翔太(3年)が左犠飛を放ち、2対1に。

 3回裏から成田は2番手・北見 和希(3年)が登板。昨秋は背番号1をつけていた投手。北見は130キロ~135キロの直球、スライダー、フォークを集めて無失点で切り抜ける投球を見せる。

 そして4回表、成田は一死から6番西宮 裕太(3年)が三塁内野安打、7番秋山 裕磨(2年)は二ゴロで一死二塁のチャンスをつくる。8番松瀬 貴俊(3年)が中前適時打を放ち、同点に追いつく。

 だが4回裏、習志野は6番佐野 文哉(3年)の右前安打、7番長嶋の四球で無死一、二塁。8番国吉の犠打で一死二、三塁で9番松島の内野ゴロで3点目を入れて3対2と勝ち越す。

 5回表、成田は1番丹治が左前安打、2番内山の犠打、一死二塁、3番早坂が右中間を破る二塁打を放ち、同点に追いつくと、さらに二死となって、5番久保田が左前安打を放ち、4対3と勝ち越す。そして北見は3回1失点の好投。習志野ペースから成田の逆転に貢献したのは間違いなく北見の好投である。北見はこの回限りでマウンドを降りた。序盤から慌ただしい試合展開に。後半戦へ突入する。


  6回から両チームはエース格が登板。成田千葉英和戦で完投勝利をあげた久保田。習志野は背番号1の松山が登板。久保田は130キロ台のストレート、チェンジアップ、スライダーを低めに集める投球を習志野打線を凌ぎ、松山も120キロ後半~130キロ前半のストレート、スライダー、カーブ、縦に落ちるスライダーを投げ分け、成田打線を抑えていたが8回表、成田は一死から6番西宮の四球、7番秋山の右前安打。西宮は三塁を陥れ、秋山も中継プレーの間に二塁を陥れ、一死二、三塁のチャンスをつくる。ここで松瀬が左犠飛を放ち、5対3。大きな追加点を入れた。

 だが9回裏、9番松島が中前安打で出塁、1番吉田、2番熊澤が凡退し、二死一塁。いよいよあと1人になったところで、3番飯島。飯島は高めに入った直球を逃さず、左中間を破る二塁打で、二死二、三塁。一打同点の場面で、松山にまわった。絶好の場面である。だが一塁が空いている。歩かせて満塁策にするのは戦略的としてありだ。成田はやはり松山を敬遠した。だが松山は勝負してほしい気持ちがあったのか、3ボールからフルスイングを見せた。敬遠に対する抵抗である。松山は歩き、二死満塁となる。

 そして代打・佐野 司(3年)。今年の習志野の主将である。この試合の勝敗は主将の一打に託すこととなった。久保田はこの場面でも動じずにストレートを外角の厳しいコースへ投じて、2ストライクに追い込む。1ボール2ストライクの4球目から直球をなんとか食らいつく。打球は一塁線へフラフラと上がる。一塁の秋山が飛び込んでいくが、僅かに及ばずにフェアゾーンに落ちた。二者生還し、習志野が同点に追いつく。これはすごい一打である。追い込まれてからキャプテンから同点打を放つシナリオが素晴らしい。試合は延長戦となる。

 なかなか決定打が出ず。延長12回裏、習志野は6番佐野文が遊ゴロ失策で出塁。名手・早坂、まさかの失策である。早坂ぐらいの守備の上手い選手が失策するのだから、相当な重圧の中で戦っていたのだろう。7番長嶋が犠打、8番国吉の三ゴロで二死二塁となって、9番松島は遊ゴロ。早坂が処理して、一塁ヘ送球。だが送球は逸れてしまいファールゾーンは転々と転がる。佐野文が生還し、習志野がサヨナラ勝ちで、2年ぶりの4強入りを果たした。

 歓喜に沸く習志野ナインとは対照的に、あと一歩のところで勝利を逃した成田ナインはその場で倒れ込み、そして試合後の整列の後も涙をこらえきれない選手が多数だった。

 再逆転でべスト4入りした習志野。2011年夏の甲子園まであと2勝となった。今年のチームは非常に粘り強い。勝ちに対する執念強さ、勝負強さはやはり凄い。5回戦、準々決勝と連戦で準々決勝は延長12回まで戦い抜き、疲労は相当なモノだと思うが、今日のようなしぶとい野球を準決勝でも発揮することを期待したい。相手は春の準々決勝で戦った東海大望洋。この時は2対5で敗れている。リベンジを果たすことができるか注目である。

(文:河嶋 宗一)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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