試合レポート

千葉日大一vs松戸六実

2013.07.13

好投手を攻略!千葉日大一が2回戦進出!

 [stadium]千葉県野球場[/stadium]の第1戦、第2戦ともに熱戦になったが、第3試合も見逃せない好カード。松戸六実は140キロを計測する湯浅 一至(3年)。今年の千葉県で速球派左腕は少なく、この大会をきっかけに一気にブレーク出来るか注目された。一方で昨年ベスト16の千葉日大一。今年も上位進出を狙う。

 立ち上がりの湯浅は不安定な立ち上がり。1番関口 惟尚(3年)に左前安打を打たれると、2番竹本 智哉(2年)の犠打で封殺にしたが、3番花川 直広(3年)は四球、4番堅山 拳人(3年)は投ゴロで、二死二、三塁。5番田中 啓介(3年)の四球で二死満塁のピンチを招いたが、堀井を内野ゴロに打ち取り、無失点で切り抜ける。

 2回表も制球がままならず、千葉日大一は7番小泉 好輝(3年)が左前安打で出塁、8番今関 祐太(2年)が犠打を仕掛けるも、投手正面に転がり、二塁封殺。9番関森 渉(3年)投前安打で一死一、二塁のチャンスとなり、3番関口の中前安打で満塁のチャンス。2番竹本の押し出し四球で千葉日大一が先制。3番花川は右飛で二死となったが、4番堅山の押し出し四球で1点を追加し、2対0とする。


 湯浅は左のスリークォーターで腕の振りが外回りの軌道で振っていく投手。球速は120キロ後半~130キロ前半ぐらい。140キロには届かないが、普通の投手と比べて速球の球威、スピードは違う。外へ大きく曲がるスライダーを使い分けながら投球を組み立ていくが、今日はストレートの制球力が安定せず、自分の投球ができていなかった。
 投球フォームを細かく見ると踏み出した足が突っ張ってしまい、うまく体重が乗らず、腕が下がり、なんとかストライクを入れようと体の回転と腕の振りが合わず、コントロールができない。自分のフォームを取り戻し、修正して2回までの2失点にとどめたいところだ。

 だが5回表、千葉日大一の打線に捉えられる。5番田中が左中間を破る二塁打を放ち、6番堀井の内野ゴロで一死三塁として、7番小泉のスクイズで1点を追加し、3対0とされる。6回以降は無失点に切り抜け、いよいよ9回。9回も簡単に二死に打ち取ったが、6番堀井に死球を与え、7番小泉に右中間を破る長打を打たれ、1点を追加されると、8番今関の右前安打で小泉が生還し、5対0。8番今関が盗塁成功し二死二塁になると、9番関森が右前安打を放ち、今関が生還し、6対0。なんと9回二死から3連打で3点を獲得する効率的な攻撃を見せた。

 投げては堅山が右サイドから速球、スライダー、チェンジアップをうまく投げ分け、松戸六実打線を完封。2回戦進出を果たした。

 千葉日大一は上位から下位まで切れ目なく湯浅を捉え、勝利をものにした。その中で光ったのが1番の関口。なんと5安打。そのうち3本が内野安打と俊足ぶりが光った。塁間タイムは3.9秒台と超俊足。一瞬のロスがセーフにつながるほどの驚異の足で松戸六実打線にプレッシャーを与えた。ショートの守備も堅実だ。千葉日大一の上位進出のキーマンは足でプレッシャーを与えられる関口になるだろう。

湯浅は最後に3点を取られ、合計6失点。最後の夏は悔しいマウンドで終わった。今日の投球は本来の投球ではなかっただろう。この悔しさをバネに上のステージで大きく飛躍してほしい。そのつもりで臨めば、きっと光り輝く逸材だ。

(文:河嶋 宗一)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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