試合レポート

作新学院vs宇都宮商

2011.07.31

作新打線爆発! 大量得点で2年ぶり7回目の優勝

 連日の雨で延期になった決勝戦。勝てば88年ぶりの優勝となる宇都宮商、2年生エース・大谷がケガから復帰し、波に乗る作新学院の球史に残る一戦が今日行われた。

 3回表、君島の甘く入った投球に合わせて石井がライトへ大会第13号のソロホームランを放ち1点を先制する。4回表には大谷、山下がヒットで出塁し内藤の2塁打で大谷が生還、さらに鶴田のライト線ギリギリの二塁打に守備が対応できず、その間に2点を追加した。4点と大きく引き離された宇都宮商はその裏、ボールが松谷の目の上に当たり負傷するアクシデントに見舞われ、一時試合は中断。

 代打に栃村がバッターボックスに立つも、1塁を抑えられてなかなか出塁することが出来ない。そして5回表、板崎が二塁打で出塁、続く佐藤が板崎を3塁に送ると、飯野のセンター前ヒットで板崎が1点を追加する。山下のセンター前ヒットでさらに2点を追加し、宇都宮商をどんどん引き離していく。ここで、ついに宇都宮商のマウンドをずっと守ってきた君島がレフトに守備変更、近藤にマウンドを託す。依然ピンチを抜け出せない宇都宮商は続く内藤のセンター前ヒットでまたしても得点を許してしまう。だが後続をピシャリと抑えて5回表が終了。4点の追加点を許し、エース・君島がマウンドを降板するなど宇都宮商にとって長い回となった。

 作新打線の勢いは衰える所を知らない。7回表には石井の三塁打で3点、板崎の犠打で1点を追加し、再び4点を追加。ここまでの宇都宮商との点差は12点だ。

 何とか1点を返したい宇都宮商――7回裏に猛攻が始まる。


 作新が大谷から大垣にピッチャーを換えた直後だった。大垣の制球がなかなか定まらず、沼野が四死球で出塁し、続く五十嵐もデットボールで出塁。そして金敷のヒットでこの試合初めての宇都宮商が満塁を迎える。続く高井のセンター前ヒットで沼野が待望の1点を返した。ここで作新はピッチャーを飯野へシフトチェンジ。無死満塁とチャンスをつかむ宇都宮商のバッターボックスには斎藤。大きく振った打球はライトへ大きく伸び、大会第14号の満塁ホームラン。全校応援の宇都宮商アルプスが歓声に沸き、一気に4点を追加した。続く吉田もレフトへ二塁打を放つも、代打出場の青柳、上野が作新の守備に阻まれ3死。だがこの回だけで5点を入れた。

 8回表、宇都宮商はピッチャーを柴山に変更する。宇都宮商は7回裏の猛攻で波に乗ったかに見えたが「打」の作新の壁をなかなか破る事が出来ない。内藤のヒットに守備が乱れて1点を許してしまう。宇都宮商はピッチャーを金敷にシフトチェンジするも、直後の鶴田のライト前ヒットで2点を追加される。8回裏も三者凡退に倒れ、ついに9回を迎える。
 ここで5回にマウンドを降りた君島が再び登板。宇都宮商を決勝まで引っ張ってきたエースの貫禄を見せたいところだったが、佐藤の二塁打で1点、内藤の犠打で1点と作新打線を抑える事は出来なかった。その裏、宇都宮商は斎藤のセンターフライで3死、この瞬間作新学院の2年ぶり7回目の甲子園出場が決まった。

 「ピッチャー全員で勝つと決めていた」と小針監督が話すように大谷を筆頭にピッチャー3人で戦った作新学院。「打」だけでなく「投」の面の強化でつかみ取った優勝。しかし「打の面ではツメがまだ甘い」とおごる事は一切無い。甲子園でさらなる「打」の強化が見られることを期待できそうだ。

 17対5。決勝戦で大差の敗北となった宇都宮商だったが、この大会で「宇都宮商旋風」が巻き起こった事は間違いない。初戦で春優勝校の大田原に勝利を収め、準決勝で国学院栃木との再試合の熱闘を見せ、そして掴んだ54年ぶりの決勝戦への切符。今大会チームの最多打数記録を「258」に更新したのは紛れもなく宇都宮商だ。近年初戦突破から遠ざかっていたチームの快進撃は栃木県大会の球史に残るだろう。

(文=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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