神村学園vs鹿屋中央
白熱の好ゲーム3時間25分、互いに譲らず
白熱した試合展開!
鹿児島の高校野球は、夏の樟南と鹿児島実の決勝が球児の心に火をつけたのか。神村学園と鹿屋中央、2年前の夏の決勝を戦った強豪私学同士が延長15回まで3時間25分、白熱の好ゲームを繰り広げ、互いに譲らず、夏の決勝と同じく再試合となった。
神村学園は2回、鹿屋中央は3回、どちらも相手のエラーで1点を取った。エラーだけでなく、走塁ミスなどもお互いになって、強豪らしからぬ立ち上がりに思えた。
だが神村学園・俵森 大輔(1年)、鹿屋中央・鈴木 勇斗(2年)、両左腕エースが尻上がりに調子を上げ、次第に引き締まった好ゲームになった。
先にリードを奪ったのは鹿屋中央。6回一死二塁から4番・西村 亘平(2年)のライト前タイムリーで1点を勝ち越す。
神村学園は8回、2つの四球と暴投で一死二三塁と一打逆転のチャンスに、4番・田中 怜央那(2年)が右中間を鋭く抜く三塁打で逆転に成功した。「さすが4番の仕事をしてくれた」と神村学園・小田 大介監督。鹿屋中央の山本 信也監督も「ボールになるのを恐れてチェンジアップを投げさせ切れず、直球勝負してしまった。外角勝負は狙い通りだが、よくバットが届いた」と脱帽する当たりだった。
流れは一気に神村学園に傾きかけたが、9回裏、鹿屋中央も粘りを見せる。二死二塁で、8番・金澤 和真(2年)が2ストライク追い込まれながらファールで粘り、センター前に弾き返して、土壇場で試合を振り出しに戻した。金澤は背番号15の選手だが「大会前の故障で出遅れて2桁だが本来はレギュラーの選手。あの場面でよく打ってくれた」と山本監督は値千金の一打をたたえた。
延長に入ってからは、後攻の鹿屋中央がやや押し気味に試合を進めたが、神村学園も好守で粘る。
13回、内野安打とバント処理ミスで無死一二塁と最大のピンチを背負ったが、俵森が好フィールディングで三塁への送りバントを阻止し、後続を断った。14回は先頭打者がヒットで出るも、次の打者がエンドランを仕掛けてセンターフライ。センター後藤 拓真(2年)がダイレクト返球で一塁に送球し併殺で切り抜けた。
「俵森は前の打席で送りバントを失敗して落ち込んでいたのを、ベンチの2年生が励ました。後藤も足がつっていたのによく投げた。厳しい場面でも選手たちが良い表情で野球をしていた」(小田監督)。
「鈴木は経験のない投手だったが、よく15回を投げ切ってくれた。あすは何とか打撃戦に持ち込みたい」(山本監督)。
15回は鹿屋中央・鈴木、神村学園・俵森が互いに三者凡退に打ち取って、決着は翌日に持ち越しとなった。
(写真・文=政純一郎)
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