京華vs都立武蔵丘

　気温が上がり続け、時折グラウンドを駆ける風も熱風となった午後、[stadium]神宮第二球場[/stadium]での第2試合、京華対都立武蔵丘が行われた。両校、ブラスバンドの応援が入り、スタンドは華やかな様相だ。
京華は昨夏初戦敗退という悔しい思いをしている。今年の夏こそ勝利を挙げたい。一方の都立武蔵丘は、昨夏はいずれも接戦を制して4回戦に進出。先輩たちが見せた粘りを引き継ぎたい。

　初回、京華は2番・渡辺 雄大のツーベースなどで二死二、三塁のチャンスを作ると、5番・小澤 奨大のタイムリーで1点を先制。都立武蔵丘も負けじと2回に9番・永野 慶太のタイムリーツーベースで同点に追いつく。

　京華は4回表、四球とエラー、ヒットで一死満塁のチャンスを作ると2番・渡辺 雄大のライトへのタイムリー、さらにエラーでこの回3点を追加し4対1と再びリードを奪う。
一方の都立武蔵丘は、初回から4回まで毎回ランナーを3塁まで進めるが、あと1本が出ない。5回もヒットに送りバント、四球と形は作るが後が続かない。

　そうこうしているうちに、6回表。京華は一死満塁から4番・石井 悠斗が押し出しを選ぶと、続く5番・小澤はレフトへ大きな当たりを飛ばす。取れるかどうかギリギリの当たり。ここまで再三好プレーを繰り出してきた都立武蔵丘レフトは果敢に飛び込むも、打球は無情にも後ろへ。走者一掃の3点タイムリースリーベースとなり、この回4得点。京華が8対1と一気に引き離しにかかる。

　コールド負けのピンチに立たされた都立武蔵丘は7回裏、意地を見せる。二死二塁と得点圏にランナーを進めると、7番・金子 明紀が右中間へタイムリーツーベースを放ちまず1点。8番・川上 将司もレフトへのタイムリーツーベースで続き、2点目を奪う。
京華はこのプレーでレフトでキャプテンの石井 悠斗が負傷退場。4番も務める大黒柱の退場に、京華の押せ押せムードは一転。都立武蔵丘スタンドが息を吹き返す。

　だが、意地を見せたいのは京華も同じ。2つの四球とヒットで一死満塁チャンスを作り出す。6番・丸山 拓郎の当たりはサードゴロ。ホーム突入もアウトになるが、もう1つアウトを取ろうというキャッチャーからサードへの送球が悪送球となり、2点が入る。

　この再びのピンチを跳ね返すだけの力は残っていなかった。都立武蔵丘は先頭の1番・冨田 大智がツーベースで出塁するも、後続が倒れ万事休す。10対3の8回コールドゲームで京華が勝利をおさめ3回戦進出を決めた。

（文＝青木有実子）

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