18年ドラフト入団、広島では1位野手と2位投手が大きな戦力に成長

9月1日に高校生及び大学生のプロ志望届の公示が始まった。ドラフト会議へ向けてこれから報道が加熱していくことだろう。
野球界では、「ドラフトの成否は5年、10年経たないと分からない」とよく言われる。今シーズンが5年目のシーズンとなる2018年ドラフト指名選手たちは、どのような状況なのだろうか。球団別で振り返ってみたい。
広島は2018年のドラフト会議において1巡目に小園 海斗内野手(報徳学園出身)へ入札した。4球団が競合したものの抽選で当たりくじを引き、交渉権を獲得した。小園はルーキーイヤーから58試合に出場するなど早くから頭角を現した。
2年目はわずか3試合と大幅に出場機会を減らしたものの、3年目、4年目と2年連続で規定打席に到達し、レギュラーに定着する。今シーズンは不振がありながらも、徐々に調子を上げ、9月は20試合で打率.369(84打数31安打)とチームを牽引している。守備面でも高校時代の定位置だった遊撃手だけでなく、三塁手と二塁手もこなすなど、起用の幅も大きく広がった。4球団競合のドラフト1位に恥じない成績を残している。
その他の野手では、ドラフト3位の林 晃汰内野手(智辯和歌山出身)が、3年目に102試合の出場で10本塁打を放ち覚醒の兆しを見せたが、昨シーズンはなんと1軍出場がなかった。今シーズンも、ここまで20試合の出場しかなく苦しんでいる。
7位の羽月 隆太郎内野手(神村学園出身)、育成1位の大盛 穂外野手(飛龍出身)はレギュラーを確保したわけではないが、試合終盤の交代要員としてチームに欠かせない存在となった。
投手でも主力が誕生している。ドラフト2位の島内 颯太郎投手(光陵出身)は1年目から中継ぎとして起用されてきたが、本格化したのは今シーズンだ。すでにキャリアハイとなる61試合に登板し39ホールドをマーク。防御率2.35と安定した成績を残し、上位躍進を支えた。最優秀中継ぎのタイトルも手が届きそうな位置にある。
ドラフト4位の中神 拓都内野手(市立岐阜商出身)、5位の田中 法彦投手(菰野出身)はいずれも退団した。同6位の正隨 優弥外野手(大阪桐蔭出身)は昨年オフに行われた現役ドラフトで楽天へと移籍している。
ドラフト会議から5年が経ち投手、野手ともに1軍に欠かせない戦力が誕生した。
<2018年ドラフト>
1位:小園 海斗(報徳学園)
2位:島内 颯太郎(光陵ー九州共立大)
3位:林 晃汰(智辯和歌山)
4位:中神 拓都(市立岐阜商)※現在は社会人軟式野球チーム所属
5位:田中 法彦(菰野)※現在はセガサミー(社会人野球)
6位:正随 優弥(大阪桐蔭ー亜細亜大)※現在は楽天
7位:羽月 隆太郎(神村学園)
育1位:大盛 穂(飛龍ー静岡産業大)
※数字は2023年9月26日終了時点