寒暖差とコンディション

乾いたタオルでのどを保温すると痛みがやわらぐことも多く、手軽にできるコンディショニング方法の一つ
朝晩が過ごしたやすい時期になってくると、日中との気温差が大きくなって体調を崩すことがあります。暑い時期に行っていた習慣を見直しつつ、季節の変わり目といわれるこの時期に特に注意しておきたいことを確認しておきましょう。
●汗は体温を奪う
暑い時期は立っているだけでも汗が噴き出し、気温や運動などによって上がった体温を冷やそうとします。高温下の環境では、汗をかいたからといってすぐに肌寒さを感じるほど体温が下がることはありませんが、暑さが落ち着いた気候の中でプレーをしていると、運動によってかいた汗はやがて体温を奪うようになります。さらに風によっても汗が蒸発する際に体温を奪ってしまいます(気化熱)。練習後には汗をタオルなどで拭くこと、濡れたウエアは着替えることとともに、薄手のウォームアップジャケットや長袖アンダーシャツを事前に準備しておき、肌寒さを感じないように活用して、肌寒さを感じるほど体温が下がらないようにしましょう。
●睡眠不足は体調不良のはじまり
この時期だけではありませんが、慢性的な睡眠不足が続いてしまうと免疫が低下し、風邪などの感染症にかかりやすくなります。今日の疲れを明日に持ち越さないようにするためにも、一日のスケジュールの中でまず睡眠時間を確保し、そこから生活リズムを整えるようにしましょう。就寝時には気温も下がるため体が冷えないようTシャツ・短パンではなく、長袖・長ズボン(できれば睡眠に適したウエアであるパジャマ)を着用し、特に腹部を冷やさないように注意します。腹部が冷えてしまうと腹痛や下痢を起こしやすく、そこから体調を崩してしまうケースも見られますので、ブランケットやタオル、必要に応じて腹巻きなどを利用して腹部を保温することも腹部の冷え対策に効果的です。
●のどの痛みは乾いたタオルを巻いて
エアコンの効いた部屋に長時間いたり、たとえば大声を出し続けて喉を酷使したりしたときなどは、のどの不具合を感じるケースもあるでしょう。のどのイガイガ感や痛みを感じるときは、寝る前に乾いたタオルをマフラーのようのどに巻いて保温に努めると、痛みの軽減が期待できます。のどの痛みの多くが炎症によるものであり、これが長期にわたって広範囲にひろがってしまうと体温が上昇して、発熱へとつながることがあります。のどの違和感や痛みが次第に強くなる場合は、早めに医療機関を受診し適切な処置を受けるようにしましょう。
文:西村 典子
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