【岐阜】3位決定戦 中京 vs 関商工

6回を無失点に抑えた中京・寺戸君
中京が、4人の継投で関商工を完封して、東海大会進出を決める
<第76回秋季岐阜県高校野球大会:中京4-0関商工>◇24日◇3位決定戦◇長良川
全61チーム(連合チーム3)で争われた秋季岐阜県大会。前日の準決勝で敗れたチーム同士で、東海大会出場権を賭けて争う3位決定戦。関商工は、県立岐阜商に5回コールドの2対12の大敗だった。そこからの切り替えとなる。中京は、岐阜第一に中盤までは競り合ったものの敗れている。3年連続の東海大会進出を目指す中京は、昨秋は1位校として進出しながら、初戦で加藤学園(静岡)に敗れてしまっている。この秋は、何とか東海大会で勝利して上位進出を果たしたいところである。
夏は、準々決勝で帝京大可児にタイブレークの末に敗れてしまった中京。そのチームから、ほとんどのメンバーが入れ替わったが、まずはそれ以上のところまでは進出した。
中京は11番をつけた寺戸が先発、関商工は兜森投手と尾方捕手という1年生バッテリーだが、注目度は高い。
序盤、まずは両投手の投げ合いというか、お互い様子を見るような形で3イニングを0に抑えていた。中京は1安打、関商工も2本の安打は出ていたが走者を進められなかった。
そして迎えた4回、2巡目となって中京は2番・稲嶺が三遊間を破って出塁すると、田邊も送ることなく左前打して一、二塁。そして、唯一の夏からのメンバーで4番に入っている三浦が中前へはじき返して二塁走者がかえって先制点が入る。さらに、送球がそれる間にもう1人生還。続く西川も中前打して、この回4連打で3点が入った。これは、寺戸にとっても大きなプレゼントだった。
氏家雄亮監督は、「継投は当初から考えていたけれども、寺戸がよく頑張っていてくれたので、予定以上の6回まで任せた」ということで、その6イニングを5安打無失点で抑えた。走者を三塁まで進めたのも5回の1度だけだった。その5回は、1死満塁となった場面で、気力を振り絞って連続三振で切り抜けたところが、この日の寺戸の真骨頂だった。
7回からは小原、三塁からリリーフした三浦、そして1番をつけた桑田と3人が1イニングずつをそれぞれ投げ切った。最後の桑田は3四死球でピンチを招いてしまったが、それでも、最後はきちっと抑えた。「桑田は昨日は球数も多く投げていたのですが、志願の登板で、『投げさせてください』ということを言ってきたので、『継投は考えているけれども、最後は行くぞ』ということは伝えていた」と、氏家監督は、桑田の気持ちを買って送り出したのだった。やや力んでしまったところもあったが、最後は力を示したと言っていいであろう。
中京としては、打線が爆発したのは4回のみで、苦しんだところもあったが、9回に四球から好機を作って、2死二塁から途中出場していた山本 裕太が左前打して二塁走者をかえして、貴重な追加点となった。氏家監督も、「毎日真面目によく努力する子でねえ…。こういう選手が打ってくれると嬉しい」と、喜んでいた。
これで、中京は3年連続26回目の東海大会出場ということになった。
関商工としては、10年ぶり4回目の東海大会進出を目指していたが、あと1歩及ばなかった。それでも、1年生バッテリーを中心とした守りのチームは、これからの伸びしろも大いに期待できそうだ。