【千葉】準々決勝 習志野 vs 千葉学芸

ベスト4進出が決まった習志野
習志野が大苦戦しながらも1点差を制しベスト4!粘り強さは19年センバツ準優勝チームを彷彿
<第76回秋季千葉県高校野球大会:習志野5ー4千葉学芸>◇24日◇準々決勝◇千葉県総合スポーツセンター
2回まで5点を奪った習志野。千葉学芸相手に主導権を握ったように見えたが、終わってみれば、5対4の1点差だった。
習志野の手堅い試合運びが光った試合に見えるが、新チーム当初は「習志野の野球」から程遠いチーム状態だったという。石神 哉多主将(2年)は「チームとしてまとまりもなく、ミスも多かったです」と振り返る。
習志野・小林徹監督は「関東なんて全く考えられる状況ではありませんでした」と当時の状況を説明する。ただ、小林監督には選手たちを成長させるのに1つの信念がある。「公式戦1試合1試合が糧になる。ミスも、勝った経験も、すべて糧になる」。1次予選をそのまま勝ち抜いたが、小林監督が抽選会前に願ったのはハードな試合日程になっても、試合数が増える1回戦からの登場を願っていた。結果的に1回戦から登場となり、これが4試合目。最も苦しい試合展開だったが、すべてを「糧」とした。
幸先よく5点を奪ったが、2回途中から登板した千葉学芸の2番手・斉藤 櫂慎投手(2年)を攻略できなかった。130キロ前半の速球を内外角にきっちりと投げ分けられ、さらに直球の切れもあった。習志野の打者は対応できずに苦しんだ。
千葉学芸の追い上げに苦しむ中、5回の守りがひとつのキーポイントにもなった。犠飛で3失点目かと思われたが、三塁走者のタッチアップが早かったことを見逃さず、アピールプレーでアウトとなった。
小林監督は「グラウンドにいる選手たちからアピールしました。本当によく見ていましたし、大きかったと思います」と振り返った。
1点差に迫られたが、リリーフの向井 脩人投手(1年)が最後は締めて、接戦を制した。向井は右スリークォーター気味から135キロ前後の速球を投げ、直球にも威力があった。
主砲の根立 陸斗内野手(2年)は「とにかく千葉学芸は強かったです。苦しい試合を制した経験は大きく生きると思っています」と語った。小林監督は「今年のチームはまだ未熟、未達です。秋は選手の能力の高さが結果として表れる大会ですが、他校と比べたらうちは低いので、経験を糧にしたいです」と現状を語る。根立は「準決勝の相手はどちらが勝ち済んでも自分たちの実力は下だと思って臨みたい」と語る。
自分たちの実力を客観視し、何ができるかを理解し、実行できるところは、習志野の「強さ」のひとつでもある。苦戦しながらも勝ち上がって、少しずつ力をつけていく部分は2019年のセンバツ準優勝のチームと共通しているかもしれない。
この勝利は習志野ナインを想像以上に成長させるきっかけになるかもしれない。