試合レポート

【埼玉】1回戦 正智深谷 vs 春日部共栄

2023.09.24

SCORE
正智深谷
春日部共栄
1234567891011121314
0 1 2 0 0 0 0 0 0 3
0 0 0 0 0 2 1 0 0 2
TOTAL
6
5

正智深谷がタイブレークの末、春日部共栄を下し初戦突破!

<埼玉県秋季高校野球大会:正智深谷6ー5春日部共栄(延長10回タイブレーク)>◇23日◇1回戦◇レジデンシャルスタジアム大宮

これまでの異様な暑さもようやく終わりを告げ、埼玉県の秋、県大会が始まった。

霧雨の中行われたレジスタ大宮球場の第1試合は、新人戦東部地区準優勝の春日部共栄正智深谷という東部、北部の強豪同士の一戦。

先発は春日部共栄が樋本 陸投手(1年)、一方の正智深谷は波田野 桂伍投手(2年)と両エースが登板し試合が始まる。

樋本はオーソドックスな右腕で直球の伸びがウリの投手。波田野は力感のないフォームからピュッと来る直球に変化球を交え、直球を速く見せる術を持っている。

序盤は正智深谷ペースであった。

正智深谷は2回、この回先頭の田中 陽向(2年)が四球を選び出塁すると、続く里見 大成(2年)がきっちりと送り1死二塁とする。2死後、7番・松本 吏翔(2年)が右前適時打を放ち1点を先制する。

正智深谷は3回にも、この回先頭の野口 隼之介(2年)が中前安打を放ち出塁すると、続く菅原 晴翔(2年)のプッシュバントが内野安打となり無死一、二塁とする。さらに2番・波田野が左前安打を放ち無死満塁とチャンスを広げると、1死後、4番・田中が押し出しの四球を選び2点目を奪う。

春日部共栄ベンチはたまらず、エース樋本から左腕・大野 泰輝投手(1年)へスイッチする。

対する正智深谷は、代打・五十嵐 駿志(2年)が二ゴロを放ち併殺かと思われたが、二塁手がジャックルし併殺とはならず正智深谷が3対0とする。

試合後半は春日部共栄ペースで試合が進む。

春日部共栄の反撃は6回であった。

この回先頭の三田村 幸輔(2年)が二塁への内野安打で出塁すると、続く佐藤 隆成(1年)が右中間へ適時三塁打を放ちまず1点、さらに続く平尾 拓翔(2年)のセンターへの飛球をセンターが落球し2対3、1点差とする。

流れをつかんだ春日部共栄は7回にも、この回からマウンドに上がった正智深谷の2番手・北村 隆之助投手(1年)の代わり端を攻め、この回先頭の明戸 王翼(1年)が中前安打を放ち出塁すると、続く和田 晄士(2年)のところで一走・明戸はすかさず盗塁を決めると、さらに捕手の悪送球で一気に三塁へと進み、無死三塁とする。和田はきっちりと犠飛を放ち3対3の同点とする。

その後、互いにチャンスを作るも、春日部共栄・大野、正智深谷は8回途中から再登板したエース波田野がともに得点を許さず試合は延長タイブレークへと進む。

延長になり試合が激しく動く。

迎えた10回表、正智深谷は無死一、二塁で4番・田中がきっちりと送ると、続く代打・片山 太陽(2年)が中前2点適時打を放つ。
春日部共栄ベンチはここで、大野から松村 侑真(2年)へスイッチし、松村は2死三塁から7番・松本から三振を奪うも、捕手の一塁送球が悪送球となり正智深谷が3点差をつける。

このままでは終われない春日部共栄もその裏、無死一、二塁で先頭の広瀬 聡大(1年)がきっちりと送ると、続く三田村が左前適時打を放ちまず1点、さらに1死一、三塁から3番・佐藤隆の内野ゴロで1点差とするが、反撃もここまで。

結局、正智深谷・波田野がその後の反撃を凌ぎ切り、正智深谷春日部共栄に6対5で勝利し初戦を突破した。

正智深谷は、とにかく波田野に尽きる。「波田野が良かった。いつもは70球くらいでヘロヘロになっているのに。今回は状況的に俺しかいないというエースの自覚が芽生えたかなと。継投タイミングは簡単に3点目取られたくないっていうのと波田野の球が徐々に抜けてきたので。1年生はプレッシャーをかけたくないので頭から。タイブレークの練習をしていて色々なシチュエーションを想定し、考え方の部分を意識させやってきたが、それでも最後の場面は肝を冷やしました」(田中監督)。波田野は2番・投手という負担の大きい役回りもきっちりとこなし、相手の粘りに苦しめられるも勝ち越しは許さない投球を披露。タイブレークも練習の成果が出た形だ。

一方の春日部共栄は、新人戦東部地区準優勝と、新チームは良いスタートを切っていた。打線も概ね好調で、この日も10安打を放っただけに、ここでの敗戦は痛恨か。決勝点となった悪送球による1点が、最後まで響いた形となった。悔やむべくは、投手陣にケガ人が多く万全の状態でなかったことか。そんな中、2人の1年生、特に左腕の大野は良く投げたが、最後力尽きた。とはいえ、投手陣も含めスタメンの半分が1年生である。まだまだ、道半ばであろう。来春以降に期待したい。

取材=南 英博

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