試合レポート

【埼玉】代表決定戦 山村国際 vs 狭山清陵

2023.09.17

SCORE
山村国際
狭山清陵
1234567891011121314
1 1 0 0 1 3 0 1 2
0 0 3 0 0 0 2 0 0
TOTAL
9
5

今年は全員野球の山村国際が粘る狭山清稜を振り切り県大会へ!

<埼玉県秋季高校野球大会地区予選:山村国際9-5狭山清陵>◇15日◇西部地区代表決定戦◇飯能市民
午後から雷雨予報で蒸し暑い飯能市民球場、第1試合は今夏ベスト16の狭山清陵山村国際との一戦。

先発は山村国際が桒田 悠翔投手(2年)、狭山清陵が小島 陽生投手(2年)で試合が始まる。

山村国際・桒田は安定感タイプの技巧派右腕、狭山清陵・小島は今夏先発経験もあり、右スリークウォーターからインステップで投げる。

先制したのは山村国際であった。

初回、山村国際は狭山清陵・小島の立ち上がりを攻め1死から2番・崎 晴登(2年)が中越えの三塁打を放ち出塁すると、続く桑野 祐希(2年)も右中間へ適時三塁打を放ち1点を先制する。

山村国際は2回も1死後、7番・星野 朔玖(2年)が四球を選び出塁すると、続く桒田がきっちりと送り2死二塁とする。ここで9番・山田 康輝(2年)が左前適時打を放ち2対0とする。

対する狭山清陵の反撃は3回、この回先頭の肘黒 銀士(1年)が左前安打を放ち出塁すると、続く小島がきっちりと送り1死二塁とする。2死後、1番・森谷 柾仁郎(1年)の三ゴロが相手エラーを誘い2死一、三塁とチャンスが広がると、続く楢林 拓未(2年)のところで暴投によりまず1点、一走・森谷も一気に三塁へと進む。結局、楢林も四球で出塁し2死一、三塁とすると、3番・丹羽 静虎(2年)が三塁線を破る2点適時二塁打を放ち狭山清陵が一気に3対2と逆転に成功する。

逆転を許した山村国際は5回、この回先頭の森田 青葉(2年)が中前安打を放ち出塁すると、続く崎のところで暴投により二塁へと進む。崎はきっちりと送り1死三塁とすると、3番・桑野は右翼へ邪飛を放つ。

このシーン、まだ中盤であり判断は分かれるところだ。試合後の鈴木監督の話やエース小島の直後の表情を見ると、ここはスルーしてほしかったようだが、右翼手はこれをキャッチ。犠飛となり山村国際は3対3の同点とする。

追いついた山村国際は6回にも、1死から6番・清水 紀周(2年)が左前安打を放ち出塁すると、続く星野も四球を選び1死一、二塁とする。8番・青戸 海宏(1年)のところで相手の捕逸により1死二、三塁とチャンスが広がるが青戸は前進守備の遊ゴロを放つ。タイミングはアウトだったが、遊撃手は本塁へ悪送球、その間に二走・星野も一気に生還し2点を勝ち越すと、2死後、1番・森田が中前適時打を放つなど、山村国際はこの回3点を奪い突き放しにかかる。

だが、粘る狭山清陵は7回に反撃を開始。5回からマウンドに上がる3番手・青戸を攻め、1死から小島が左中間へ二塁打を放ち出塁すると、続く中村 悠希(1年)も中前安打を放ち1死一、三塁とする。1番・森谷のところで一走・中村は二盗を決め1死二、三塁とすると、森谷がきっちりと犠飛を放ち1点を返す。

山村国際ベンチはここで青戸を諦め、4番手としてエース髙澤 直志投手(2年)へスイッチする。

それに対し、狭山清陵山村国際・髙澤の代わり端を攻め、続く楢林が右越えの適時二塁打を放ち1点差とする。

追い上げムードの狭山清陵であったが、8回、これまで粘投をしてきたエース小島の左腕と足が攣ってしまう。
それに対し1点差とされた山村国際は8回、1死から8番・髙澤が右中間へ二塁打を放ち出塁すると、2死後、1番・森田が死球で出塁し2死一、二塁とする。ここで続く崎が遊撃へ適時内野安打を放ち7対5とする。

山村国際は9回にもこの回先頭・江幡 雅海(2年)の左中間への二塁打を足がかりとし、続く代打・上西 春輝(2年)が左中間へ適時二塁打と髙澤が中前適時打を放ち2点を追加しダメを押す。

投げては7回途中から登板したエース髙澤が後続を無失点で切り抜ける。

結局、山村国際狭山清陵を9対5で下し県大会出場を決めた。

狭山清陵は、エース八巻、井上、見方など旧チームのメンバーから総入れ替えとなり、まだまだ経験値が足りない。ただ、大型遊撃手の丹羽など素材はいる。

「中盤のエラーが大きかった。この代は前の代のように投打に絶対的な選手がいるわけではないので、一人一人がその自覚をしてやるべきことをきっちりとやっていかないと。だから今日のようにミスが出てしまうと厳しい」と鈴木監督は語るが、投手陣では旧チームのように複数投手制とはいかない陣容だけに、しばらくは小島が踏ん張る必要がある。2番手以降の投手の成長が鍵となりそうだ。

一方の山村国際も「投手陣は早め早めで全員で試合を抑えてくれれば。まず桒田が試合を作って、長谷川 貫志(1年)、青戸の1年生も投げさせたかったので、公式戦初登板にしてはよく投げてくれた。エースの髙澤も役割は果たしてくれた。打線は成長過程の中、頑張ったと思います。新人戦で勝てなかった思いを抱え、下を向かずコツコツやってきた成果が出たかなと。今までとは全くタイプが違うチームで、全員で戦ってそれぞれが役割を持った集団になってくれれば。1年生も本当は楽な場面で出してあげたかったんですが戦力なので。県(大会)でも投手陣は継投で打者も次の打者に繋ぐスタイルで」と大坂監督。新チームは旧チーム前原 智希(3年)のような大黒柱はいない。打線も崎、桑野、江幡らを中心とし全員で戦う。特にこの日は3番手・青戸とエース髙澤に光るものを感じた。他にも様々なタイプの投手はいる。今後もこの継投パターンは県大会でも続くであろう。県大会では軸になれる投手が欲しいところか。

取材=南 英博

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