【仙台六大学野球】東北学院大 vs 東北大

5回に逆転打を放ち雄叫びを上げる東北学院大・山中海渡
東北学院大が勝ち点死守!逆転打含む3安打の4番・山中海渡「死に物狂いで勝たないと」
<仙台六大学野球秋季リーグ:東北学院大8-3東北大>◇19日◇第4節3回戦◇東北福祉大
勝った方が勝ち点を獲得する重要な一戦。東北学院大が投打の4年生の活躍により、逆転勝ちを収めた。3点を追う5回、4番・山中海渡外野手(4年=東北学院榴ケ岡)の2点適時打などで4点を奪い逆転。7回も相手の守備の乱れにつけ込んで4得点し、リードを広げた。投げては2番手・山田恵太投手(4年=湯沢)が6回2安打無失点と好投し、勝利を呼び寄せた。
東北学院大は5回、及川恵介捕手(4年=大船渡)の適時打と石川原太陽内野手(4年=東北)の押し出し死球で1点差に迫る。なおも2死満塁で、打席には第1、2打席でいずれも安打を放っていた山中。「チャンスで回してくれと思っていた」山中にとっては願ってもないチャンスの打席だった。
2球目のスライダーをうまく中前へ運び、走者2人が生還。試合をひっくり返し、山中は一塁塁上で喜びを爆発させた。3打数3安打で打率は.417(24打数10安打)に上昇。前節の宮城教育大2回戦で本塁打を放ったことで今節は「(本塁打を)狙いすぎてしまっていた」というが、この日はセンター返しを意識した本来の打撃を取り戻した。
山中のほか、ビハインドから好救援し最後まで投げきった山田、途中からマスクをかぶって攻守で貢献した及川ら、4年生の活躍が光った。負ければ勝ち点を落とす前日の試合では、エースの古谷龍之介投手(4年=北星学園大付)が9回完封勝利。山中は「4年生はみんな気合いが入っています」と胸を張る。
今秋は東北工業大に連敗を喫する苦しいスタートを切った。それでも、最上級生が中心となってチームを盛り立ててきた。「4年生は最後のシーズン。工大に連敗してしまったので、死に物狂いで勝たないといけない」(山中)。残すは仙台大戦と東北福祉大戦。「2強」に土をつけることはできるか、注目だ。
東北大は主将・小林厳捕手(4年=江戸川学園取手)の3点本塁打で先制し、中盤までリードを奪うも、勝利には届かなかった。小林は「学院の強さと自分たちの詰めの甘さが出た」と分析。打線は4回以降淡泊な攻撃が続き、守っても終盤にバッテリーミスや四球が絡む失点を重ねた。ここまでの成績は1勝6敗で勝ち点を奪えていないが、「状態は悪くない。チームの結束力は高まってきている」と小林。残る2節は全勝を狙う。
(取材=川浪康太郎)