【静岡】2回戦 日大三島 vs 浜名

日大三島が3回に一挙に9点で勝負決め、浜名に5回コールド勝ち
<第76回秋季東海地区高校野球静岡県大会:日大三島12-0浜名(5回コールド)>◇10日◇2回戦◇愛鷹広域運動公園
一昨秋の県大会~東海地区大会の優勝校でセンバツ出場も果たしている日大三島。報徳学園(兵庫)でも全国制覇の実績を持つ永田裕治監督が就任以来、安定して県大会上位校としての位置づけとなっている。この夏もベスト4に進出したが、東海大静岡翔洋に屈した。そして迎えた新チームの秋季大会も地区予選は圧倒的な大差で勝ち上がってきている。県大会でも、優勝候補の一角を担っている。
挑む浜名は、地区予選では代表決定戦で磐田東に敗れて、敗者戦で藤枝北に4対1で勝利して復活してきた。そして、1回戦では市立沼津に4点差リードされていたのを6回に追いつき、8回に勝ち越して8対6というスコアで勝ってきており、勢いを持ってきての登場である。
そんな浜名だったが初回の攻防で勢いに乗りそこなった。
初回の浜名は2死走者なしから長短打で一気に本塁を狙ったがタッチアウト。その裏、日大三島は1死から3本の安打と犠飛などで2点を先取する。これで、試合の主導権は、戦力的にも上かと思われた日大三島のモノとなった。日大三島の関野投手は、力でねじ伏せていくというよりは、上手に要所を締めながら抑えていくというタイプである。
そんな関野投手が3イニングを抑えていっていたが、その裏に日大三島はビッグイニングを作った。
この回、2番・富塚の左前安打から始まって、失策や暴投も絡んで、打者15人、この回だけで7安打4失策。四球と暴投も1つずつあったが、浜名としては30分近くの長い長い守りで、大量9点が入った。これで、試合そのものの行方は決してしまった。
そして、日大三島は先発の関野投手が4イニング3安打無失点。最後の1イニングを投げた小川投手も1安打1死球こそ与えたものの、安定した投球だった。
スコアとしては、予想していた以上に開いた試合となってしまった。しかし、両校の力の差は、スコアほどはなかったのではないかと思えた。
ただ、秋の新チームは、何かの拍子でこうした大量失点があって、それを取り返せないままになってしまうということも多いのではないだろうか。このあたりは、技術的なところもそうかもしれないけれども、それ以上に心のスタミナというか、そんな要素もまだまだ作っていかないといけないということではないかとも思われる。そんなことを感じさせてくれた試合でもあった。
取材=手束 仁