18年巨人ドラフトは戸郷がエース&WBC代表へ 他の選手の活躍状況は?

戸郷 翔征
9月1日に高校生及び大学生のプロ志望届の公示が始まった。ドラフト会議へ向けて、これから報道が加熱していくことだろう。
野球界では、「ドラフトの成否は5年、10年経たないと分からない」とよく言われる。今シーズンが5年目のシーズンとなる2018年ドラフト指名選手たちは、どのような状況なのだろうか。球団別で振り返ってみたい。
巨人は2018年のドラフト会議の1回目の入札で根尾 昂投手(大阪桐蔭出身=現・中日)、2回目の入札でも辰己 涼介外野手(社出身=現・楽天)と2人連続して抽選を外した。そして3回目の入札で交渉権を獲得したのが高橋 優貴投手(東海大菅生出身)だった。高橋はルーキーイヤーから5勝を挙げ、3年目の2021年には11勝9敗と好成績を残したものの、昨シーズンはわずか1勝。今シーズンもここまで6試合の登板で0勝1敗、防御率5.14と苦しんでいる。
一方でエースにまで成長したのが、ドラフト6位の戸郷 翔征投手(聖心ウルスラ出身)だ。戸郷は高卒ルーキーながら1年目にプロ初勝利を挙げると、2年目には9勝をマーク。昨シーズンは最多奪三振のタイトルを獲得し、今年3月に行われたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の侍ジャパンにも選出された。今シーズンもここまで12勝5敗、防御率2.48と先発ローテーションの柱として結果を残している。
ドラフト3位の直江 大輔投手(松商学園出身)は腰痛の影響で一時は育成契約も経験したが、昨シーズンプロ初勝利をマーク。今シーズンはここまで中継ぎとしてキャリアハイとなる16試合に登板し6ホールド、防御率3.86の成績を残している。完全に1軍に定着したわけではないが、着実にステップアップしていると見ていい。
ドラフト4位の横川 凱投手(大阪桐蔭出身)も今シーズン飛躍したひとり。キャリアハイの20試合(先発16試合)に登板しプロ初勝利を含む4勝を挙げ、防御率3.95とまずまずの成績を残している。来シーズンは先発ローテーション入りを目指すシーズンとなりそうだ。
野手ではドラフト2位の増田 陸内野手(明秀日立出身)が4年目の昨シーズンに1軍デビューを果たした。開幕前は育成契約だったが、オープン戦で結果を残すと3月に支配下登録を勝ち取り、シーズンでは69試合に出場。5本塁打を記録するなど飛躍を感じさせた。しかし今シーズンはここまで1軍出場がない。
育成契約で加入した4人のなかで、今シーズンもNPBにおいて現役でプレーしているのは育成3位指名だった沼田 翔平投手(旭川大高出身)だけ。沼田は支配下登録を勝ち取り巨人で7試合に登板したものの、目立った成績を残すことはできず昨シーズンオフに戦力外となった。今シーズンはヤクルトで育成契約選手としてプレーしている。
<2018年ドラフト>
1位:高橋 優貴(東海大菅生ー八戸学院大)
2位:増田 陸(明秀日立)
3位:直江 大輔(松商学園)
4位:横川 凱(大阪桐蔭)
5位:松井 義弥(折尾愛真)※現在はARC九州(クラブチーム)
6位:戸郷 翔征(聖心ウルスラ学園)
育1位:山下 航汰(健大高崎)※現在は三菱重工west(社会人野球)
育2位:平井 快青(岐阜第一)※すでに現役引退
育3位:沼田 翔平(旭川大高)※現在はヤクルト
育4位:黒田 響生(敦賀気比)※すでに現役引退