【沖縄新人大会】決勝 エナジック vs 沖縄水産

エナジックスポーツ高等学院が初優勝
エナジックスポーツ高等学院(以下エナジック)が、打ち合いを制し一年生中央大会に続く、この世代2大会制覇(沖縄県高等学校野球史上10年振り8度目※7校目)を成し遂げた。
前半は沖縄水産ペース
先制は沖縄水産。一死から四球とエラー、ヒットで満塁とするとこの大会球撃絶好調の5番金城 諒明がセンターオーバーの走者一掃タイムリー二塁打を放ちいきなり3点を奪った。「でも全く落ち着いていたね」と、エナジックの神谷嘉宗監督は、動揺を見せないナインの成長に目尻を細めながら温かく見守る。3-1としたがすぐにまた4-1と3点リードを守る沖縄水産に対し、エナジック打線が遂に沖縄水産先発の上地 翔葉を捉える。
4回裏、内野安打と四球で一死一・二塁として8番の古波蔵 虹太。自らの不甲斐ない投球を少しでも打撃でチームに貢献しようという姿勢が見て取れる2点タイムリー二塁打であった。さらに次打者の内野ゴロの間に三塁へ進んだ甲斐あって、1番眞喜志 健之朗のときに相手バッテリーにミスが出て古波蔵が生還。あっという間に同点とした。さらにエナジックは5回、主砲龍山 暖が追い込まれながら気負わずフルスイング。神谷監督もナインも、彼なら打って当然と、大黒柱の一発にチームも完全に波に乗った。
着実に加点していくエナジック。追いつめる沖縄水産
7回裏、エナジックは一死二塁からまたもや龍山のバットが火を吹きセンターオーバーのタイムリー二塁打。その後1点を加えさらに二死満塁とした場面で、エナジックナインがタイムをかける。三人が集まり声を掛け合った次の投球のときだった。まさかのスリーバントスクイズ!予期せぬ沖縄水産バッテリーもしてやられたり。「秋は沖縄水産もだけど、興南も怖い。安心なんてまだまだ」と一年生中央大会に続く大会制覇は成し遂げたが、怪我人も多く全てが万全でない中での神谷監督の発言。しかし、その状態でも優勝を果たした選手たちの頑張りに、安堵していたのも事実だ。
一方4回以降、古波蔵の前に沈黙していた沖縄水産打線もこのままでは終われないとばかりに追い詰められた9回表の攻撃が見事。一死一・二塁から4番名護 夢翔の当たりはフラフラとレフトの前に落ちるテキサスヒット。これで面白くなるかと思いきや、どうしても走れない一走が二塁でアウトになるなど、試合の流れはエナジック。しかしそこから金城と玉榮 志百の連続タイムリーで2点差にまで追い詰め、古波蔵から二桁安打を放った打線は見事であった。
秋はエナジックを中心に展開する
この結果、秋の第一シードがエナジック高等学院。第二シードに沖縄水産高校。ここから通常通りならば、第三シードが準決勝戦でエナジック高等学院と戦った美里工業高校が第三シード、沖縄水産高校と戦った知念高校が第四シードとなるだろう。沖縄尚学高校、興南高校、KBC学園未来高校沖縄、日本ウェルネス高校沖縄の、私学4校がノーシードとなるこの秋はどのような波乱が待っているのだろうか。
知念高校と互角のゲームを繰り広げた浦添商業高校と宜野座高校。興南高校を延長まで追い込んだ具志川商業高校。エナジック高等学院と、美里工業高校と好勝負を繰り広げた那覇商業高校に八重山農林高校。ベスト8の宜野湾高校など、この大会で力を見せた県立校も侮れないが、頭一つ抜き出たエナジック高等学院の、沖縄県高等学校野球史上2校目となる、一年生中央大会・新人中央大会・県秋季大会の3大会制覇なるかどうかに注目が集まる。