【西東京】準決勝 早大学院 vs 日大鶴ケ丘
開幕戦を戦った日大鶴ヶ丘が決勝進出!試合の流れを変えた「太陽安打」
<第105回全国高校野球選手権西東京大会:日大鶴ヶ丘6ー2早大学院>◇27日◇準決勝◇神宮
日大鶴ヶ丘は7月8日に神宮球場で行われた西東京大会の開幕戦に出場し、準決勝で7試合目となる。シード校の早大学院は、7月15日に初登場し、この試合が5試合目。疲労度で言えば、日大鶴ヶ丘の方が高いはずだが、日大鶴ヶ丘は複数の投手を擁しているのに対し、早大学院は投手陣の柱であった西山 恒斉投手(3年)が負傷によりメンバーから外れたため、エースの岡村 遼太郎投手(3年)に負担がかかっていた。
準決勝も早大学院は当然岡村が先発。日大鶴ヶ丘はリリーフで登板することの多かった比江島 幹投手(3年)が先発のマウンドに立った。「比江島は制球力がいいので」と萩生田博美監督は、先発起用の理由を語る。比江島は1回に早大学院の1番・野田 俊輔外野手(2年)を四球で歩かせるなど、やや不安な立ち上がりであったが、無失点に抑える。
岡村を援護したい早大学院打線は3回、2番・井上 幸大内野手(1年)が左前安打で出塁すると、二塁へ盗塁し、4番・佐藤 寛也外野手(3年)の二塁打で1点を先制した。
早大学院の岡村は序盤3回を被安打0に抑える好投。しかし思わぬことで失点することになる。
4回、日大鶴ヶ丘は1死後、5番の小針 大輝内野手(2年)がチーム初安打となる左前安打を放つと二盗にも成功する。2死にはなったものの、7番・伊藤 壮大外野手(3年)は一塁への飛球。チェンジかと思われたが、早大学院の一塁手・笠尾 一登内野手(3年)が打球を見失って安打となり、小針が生還して同点になる。「彼はサングラスをかけることをやっていない。あれで流れが変わりました」と早大学院の木田茂監督は語る。
疲労がたまっている早大学院の岡村には、痛い失点であった。5回、日大鶴ヶ丘は、1番・梶 琉之介外野手(3年)が四球で出塁すると、2番・高見澤 晴翔内野手(3年)が送り、3番・木嶋 康太外野手(3年)の左前安打で1点を勝ち越す。さらに4番・後藤 健大内野手(3年)が四球で歩き、5番・小針の左飛で木嶋は三塁に進むと、後藤も盗塁で二塁に進み、6番でこの大会当たりに当たっている杉浦 凛内野手(2年)が中前安打を放って2人が生還した。
ここで早大学院は岡村を右翼に下げて、投手に平井 大翔投手(2年)を起用する。平井は7回、8回に失点したものの、傷口を広げず、仲間の反撃を待つ。
しかし日大鶴ヶ丘の比江島は、テンポのいい投球で早大学院打線を抑える。9回、早大学院は3番・舟橋 立葉内野手(3年)が本塁打を放ったものの、反撃もここまでだった。
早大学院の岡村は、体はそれほど大きくないものの、投手としてだけでなく、打者としても活躍した。西山が欠場する中、孤軍奮闘の活躍であったが、西山が抜けたことが、「彼を成長させた」と木田監督は言う。次は同じ早稲田のユニホームを着て、東京六大学の舞台で活躍してほしい。
日大鶴ヶ丘は、開幕戦を戦い、ついに決勝戦まで戦うことになった。相手は日大三。5年前も決勝戦で当たり、サヨナラ本塁打で敗れている。決勝戦は、「総動員ですよ」と萩生田監督。ここまでの7試合で総力戦に投入できる人材も育ってきた。好ゲームを期待したい。