【滋賀】決勝 近江 vs 滋賀学園

<第105回全国高校野球選手権滋賀大会:近江8-7滋賀学園>◇28日◇決勝◇マイネットスタジアム皇子山
近江が滋賀学園を下して5大会連続17回目となる夏の甲子園出場を決めた。
滋賀学園は1回、近江先発の西山 恒誠投手(2年)に対して1死一、三塁のチャンスを作ると、4番・外山 櫂内野手(3年)の右犠飛で1点を先制する。
滋賀学園の先発はエース左腕の大城 海翔投手(3年)。先制を許した近江は2回に1死二塁から7番・塚脇 柊太捕手(3年)の右前適時打で追いつくと、3回には無死一、三塁から主将の4番・横田 悟内野手(3年)がスクイズ(記録は三塁への内野安打)を決めて勝ち越しに成功した。
近江は西山が5回1失点と試合を作ると、6回からは左腕の河越 大輝投手(2年)に継投。河越は1番から始める6回の滋賀学園の攻撃を3人で抑えて流れを呼びこんだ。
すると近江はその裏、2死満塁から1番・清谷 大輔外野手(3年)の左前適時打で1点を追加。さらに押し出し死球で1点を加えると、3番・中村 駿介内野手(2年)が走者一掃となる左越え3点適時二塁打を放ち、リードを6点に広げて大城をマウンドから引きずり降ろした。
「これで決まった」と近江の多賀章仁監督は半ば勝利を確信したが、ここから滋賀学園の猛追に遭う。6回は好投を見せていた河越が5連打を浴びて2点を返されると、その後も押し出し死球と内野ゴロの間に失点して2点差に詰め寄られた。
近江は7回に相手の暴投で1点を加えるが、8回にも2死二、三塁から主将の8番・井上 幹太外野手(3年)に右中間を破る2点適時二塁打を浴びて、ついにリードは1点になった。
ここで近江は背番号16の北川 凌佑投手(2年)に継投。続くピンチを空振り三振で凌ぎ、リードを保ったまま最終回に持ち込んだ。
9回の滋賀学園は1番の多胡 大将内野手(2年)から始まる好打順。多胡は中前安打を放つと、相手の失策も重なり、二塁に進んだ。続く2番・國仲 優星内野手(2年)は犠打を試みたが、その際に後ろ足が打席から出てしまい、反則打球をとられて走者を進めることができなかった。
3番・岩井 天史内野手(2年)は三塁ゴロに倒れて2死。続く途中出場の酒井 健祐内野手(3年)はセンターに弾き返したが、打球は北川のグラブに収まる投直となり、近江がリードを守り切って甲子園への切符をつかんだ。
「最後まで何が起こるかわからない野球の怖さというか、決勝戦の怖さをしみじみと実感させられました。こういうゲームで甲子園に行けることは彼らに大きな自信になったと思います」と話した多賀監督。終盤に猛追を食らったが、苦しい試合を経験できたことは甲子園でも生きてくるだろう。
一昨年夏から昨夏にかけては山田 陽翔投手(現・西武)を擁して4強、準優勝、4強と甲子園で好成績を挙げた。しかし、「昨年の先輩たちの結果に自分たちは満足している部分があった」(横田)と昨秋は県大会3回戦で敗退。センバツへの道は早々に閉ざされた。
そこから長い冬を乗り越え、春の県大会で優勝。夏もライバル校からの「近江包囲網」を打ち破って滋賀の頂点に立った。「昨年のチームで日本一を成し遂げられなかったので、日本一に向かって頑張っていきたいです」と甲子園に向けて意気込みを語った横田。滋賀県勢の悲願である初の甲子園優勝への期待を背負って甲子園に乗り込む。