徳島インディゴソックスが豪華ドラフト候補リレーで完全制覇!

<四国アイランドリーグplusトリドール杯チャンピオンシップ:徳島インディゴソックス5-2愛媛マンダリンパイレーツ>◇22日◇むつみスタジアム◇第1戦◇
いまや各地に広がる日本独立リーグのパイオニア的存在である四国アイランドリーグplusの19シーズン目もラストスパート。9月22日(金)には徳島県徳島市のむつみスタジアムでシーズン前後期共に優勝を果たした徳島インディゴソックス(以下、徳島)と前後期シーズン通じて勝率2位に入った愛媛マンダリンパイレーツ(以下、愛媛)による年間総合優勝(2戦先勝方式)をかけた「四国アイランドリーグplusトリドール杯チャンピオンシップ2023(以下CS)」第1戦が開催された。
徳島が最速154キロ右腕・白川 恵翔(池田・4年目)、愛媛が最速149キロ右腕・玉置 隼翔(和歌山東・3年目)という両エースが先発マウンドに上がった一戦は、初回の攻防が大きく明暗を分けた。
愛媛は1回表、二死から3番・河野 聡太(九産大九州~西日本工業大・1年目)が中越二塁打。続く4番・浅井 玲於(東海大甲府~星城大・1年目)も右前に落としたが、徳島のキャプテン・増田 将馬(徳島商~中部学院大<中退>~ジェイプロジェクト>がストライク返球により先制点を阻止された。
対して徳島はその裏、徳島はリーグ打点王・本塁打王の2冠を獲得した1番・井上 絢登(久留米商~福岡大・2年目)の右前打から一死一・二塁のチャンスをつかむと、4番・角井 亮太(生駒~龍谷大・1年目)が玉置の初球ストレートを本人も「打った瞬間手ごたえがあった」強烈なインパクトで捉えレフトスタンドに3ランを突き刺した。
かくして「みんなでまとまることができた」(岡本 哲司監督)今季を象徴するような攻守の躍動で主導権を握った徳島は、その後も前後期制覇による1勝アドバンテージを存分に活かし、2回裏には敵失、3回裏には6番・古本 幸希(広島新庄~九州共立大~富山GRNサンダーバーズ・1年目)の右中間二塁打で1点ずつを追加。
対していずれも四死球・失策が絡んでの0対5を喫した愛媛。ここは弓岡 敬二郎監督も「徳島はシートノックからしっかりやっている守備の差が出た」と徳島との実力差を認めざるを得なかった。
ただ、4回以降は10球団以上が詰めかけたNPBスカウト陣の前でドラフト候補同士による投手戦が展開されることに。愛媛が羽野 紀希(新南陽~日本経済大・1年目)、山田 空暉(愛工大名電・1年目)、内海 皓太(市岡~大阪教育大~06ブルズ・2年目)、菊田 翔友(享栄・2年目)ら5投手のリレーで0を並べると、徳島も最速151キロを出し5回7奪三振無失点の白川に続ぎ、6回以降は最速157キロ右腕・椎葉 剛(島原中央~ミキハウス・1年目)、カナダからの逆輸入最速151キロ左腕・シンクレア ジョゼフ 孝ノ助(ジョンオリバー高<カナダ>~コチス短大<アメリカ>~メアリー大<アメリカ>・1年目)、最速155キロ右腕・宮澤 太成(長野~北海道大・1年目)と豪華布陣でリレー。
中でも46分間の雨天中断後に152キロを叩き出した徳島・宮澤、150キロを出した愛媛・内海は、さらなる伸びしろを大いに期待させるパフォーマンスであった。
そして徳島投手陣の最後を締めたのは2年目で高校時代から10キロ以上球速を上げた最速151キロ右腕・山崎 正義(都立紅葉川)。山﨑は俊足巧打でドラフト候補に急浮上した愛媛8番・宇都宮 葵星(松山工・1年目)に中越え三塁打を浴びるなどで1点は失ったものの、最後の打者を空振り三振に仕留め勝利。5対2で愛媛を下した徳島は3年ぶり7度目となる四国アイランドリーグplus年間総合優勝を達成し、大会MVPには先制3ランの角井、敢闘賞にはチーム唯一のマルチ安打をマークした愛媛の主将・山崎 将史(東明館~順天堂大・3年目)が選出された。
なお、今季の徳島は前後期シーズンに加え、福岡ソフトバンクホークス3軍との定期交流戦8試合の勝率で順位を定めるソフトバンク杯も4勝3敗1分で2年連続7度目の優勝を果たしており、島田 直也監督(現:常総学院監督)が率いていた2014年以来、9年ぶり2度目となるリーグ4タイトル完全制覇の偉業を達成している。
しかしながら、優勝の瞬間ですら控えめに喜んだよう彼らの目指す頂はもう1つ先。開催地枠として出場する愛媛、埼玉武蔵ヒートベアーズ(ルートインBCリーグ優勝)、火の国サラマンダーズ(ヤマエグループ九州アジアリーグ優勝)、石狩レッドフェニックス (北海道フロンティアリーグ優勝)、富山GRNサンダーバーズ(日本海リーグ優勝)の計6チームが参戦し、愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで9月29日(金)から3日間行われる「日本独立リーググランドチャンピオンシップ2023」において、徳島インディゴソックスは「負けたら終わりなので一戦必勝で頑張る」(主将・増田)2023集大成の3試合に挑む。