中京大中京vs花巻東
中京大中京期待の2年生大型左腕と1年生右腕が好投!課題の投手力向上に指揮官も手応え

宮内 渉吾と中井 遥次郎
<第9回愛知県高校野球連盟招待試合:中京大中京7-2花巻東>◇4日◇小牧市民
今春、県大会初戦で5回コールド負けを喫した中京大中京(愛知)の目下の課題は投手陣の底上げだった。大会が終わってから約1ヶ月。戦力の底上げがしっかりと図れているように感じられた花巻東(岩手)との試合となった。
1週間前に行われた沖縄県の招待試合では、今センバツ出場の沖縄尚学相手に3対1で競り勝った。その沖縄遠征で好投を見せ、評価が高い大型左腕の中井 遥次郎投手(2年)が花巻東戦で先発した。真上から振り下ろすオーバーハンドで、常時130キロ前半〜135キロ程度の直球を投げる。球速以上に球質の良さを感じるタイプで、1回に佐々木 麟太郎内野手(3年)からも見逃し三振を奪うなど、上々の立ち上がりを見せた。
第2打席ではカットボールを投げて、佐々木麟を二ゴロに打ち取った。中井は「捕手から内に攻めたあと、外で勝負する配球をしようといわれいて、今日はうまく投げられたと思います」と語った。花巻東打線相手に5回を投げて無失点に抑える投球に自信をつけた中井は「夏へ向けてさらに球威を身に着けたい」と意気込んだ。上背もあり、まだまだ球速アップできる予感がある。
打線もケガから復帰した大西 遼多内野手(3年)が1回に適時三塁打を放った。3回には期待の4番・山田 頼旺外野手(2年)の適時打が飛び出すなど、試合を優位に進め、5回までに3対0とリード。結局、14安打を記録し、7得点した。
6回からは経験を積ませる意図で、193センチの大型1年生右腕・宮内 渉吾投手が登板。先頭打者の佐々木麟をフォークで空振り三振に打ち取り、観客を沸かせた。宮内は最速142キロの速球と、120キロ台のフォーク、スライダーを投げ分けて1イニングを無失点に抑えた。高橋源一郎監督は「彼にとって良い経験になった」と語り、宮内も「自信になります」と喜んだ。
7回からは、左腕エースの1人である祝 昂輝投手(3年)が登板し、速球は130キロ後半をマークしていたが、要所で甘く入った直球を振り抜かれて2失点。8回2死になったところで、4番手の三輪 恵大投手(3年)が抑え、5番手には直球に力のある佐竹 泰河投手(3年)が抑え、花巻東を破り、勝利を収めた。
試合後、高橋監督は「練習試合で、だんだん失点が少なくなっていて、花巻東さん相手に抑えられたのは収穫です」と振り返った。この日は、5投手の継投リレーだったが、夏でも「絶対的なエースがいないチームですので、今年は継投策で勝負するチームです。そういう意味で、今日の試合運びができれば、戦えると思っています」と胸を張った。
今年のチームは一戦ごとに成長できるチームになれるかが鍵だとも語った。
「今年は1回戦からスタート。組み合わせ次第ですが、早ければ7月の第1週から公式戦です。戦っていくごとにピークに持っていける戦い方ができればと思っています」
この日の戦いぶりを見れば、これほどのチームがノーシードなのかと驚きは隠せない。やはり夏の愛知を盛り上げる存在になることは間違いなさそうだ。
(取材=河嶋 宗一)