大阪桐蔭、守備の乱れ、投手陣の乱れで栄徳に完敗も スーパー1年生の快投が大きな収穫
森 陽樹投手(大阪桐蔭)
<110周年記念事業招待試合:栄徳7-2大阪桐蔭(8回表終了)>◇1日◇バンテリンドーム
愛知高校野球の強豪・享栄、栄徳の学校法人である愛知享栄学園が110周年記念事業として、プロ野球・中日の本拠地、[stadium]バンテリンドーム[/stadium]で大阪桐蔭(大阪)を招いて招待試合を行った。
[stadium]バンテリンドーム[/stadium]の内野席は享栄、栄徳の一般生徒で埋まった。試合前にはオープニングセレモニーが行われた。通常の招待試合と違い、学校の記念事業のプログラムの中に試合が組まれ、正午過ぎで打ち切りとなった。
第1試合は大阪桐蔭vs栄徳。大阪桐蔭は近畿大会から粗さが見えていた守備や、控え投手の投球のクオリティーに課題を残す結果になった。
1回、南川 幸輝捕手(3年)の適時打で1点を先制したものの、期待の大型左腕・安福 拓海投手(2年)が直球、変化球ともに甘く入り、5番・髙木 龍之介外野手(2年)の適時打で1点を失い、さらにボール先行になったり、アウトになった当たりでもしっかりと捉えられた打球だったこともあり、1回で降板。2回には、左腕の藤井 勇真投手(3年)が登板するが、栄徳の1番・村松 蒼真内野手(3年)に2ランを打たれ、さらに3回には守備のミスも絡んで1対6と大差をつけられる展開となった。ただ打たれるというよりも、守備のミスが絡んで序盤で5点リードを許すという苦しい試合展開だった。
更に6回には再び1番・村松に三塁打を打たれ、その後、3番・足立 遼斗投手(3年)の内野安打で1点を追加され、1対7と突き放される。
そんな中、収穫もあった。7回、大阪桐蔭は長澤の適時打で1点を返し、2対7とした場面で、森 陽樹投手(1年)が登板。森は昨年の中学生No.1右腕と騒がれ、187センチの長身から投げ込む速球派右腕。中学時代は最速143キロだったが、バンテリンドームでは、141キロ〜146キロを連発。140キロを下回った直球はなく、伸びのある直球は明らかに中学時代と比べて進化していた。スーパー1年生の投球は大きな収穫になっただろう。
基本的に大阪桐蔭は3年生中心に構成されることは多いが、実際に球の勢いは今の大阪桐蔭投手陣の中でもトップレベル。上級生を刺激させる存在であることは間違いない。
また、3番手の南 陽人投手(2年)も躍動感のあるフォームから常時135キロ〜140キロをマーク。変化球の精度も高く、何よりマウンド度胸が強い。さらに持ち味を発揮してくれるのではないだろうか。
試合は8回表、大阪桐蔭の攻撃が終わったところで、打ち切りの時間が近づき、後攻の栄徳がリードしていたということで、試合は終了。栄徳が5点差をつけての勝利になった。
大阪桐蔭にとっては、とにかく課題が多く見つかった試合となった。
(取材=河嶋 宗一)