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8年ぶり大学選手権出場の仙台大、隙のない打線と多彩な投手陣で久々の全国勝利へ

2023.06.02
8年ぶり大学選手権出場の仙台大、隙のない打線と多彩な投手陣で久々の全国勝利へ | 高校野球ドットコム
佐藤幻瑛・川島優

 6月5日開幕の第72回全日本大学野球選手権大会(神宮、東京ドーム)に、仙台大(仙台六大学)が2015年以来、8年ぶりに出場する。2014年、熊原 健人投手(元DeNAなど)を擁して初出場を果たし、初戦の福岡大(九州六大学)戦で全国初勝利を達成。翌年も出場するが初戦敗退し、それ以降はライバル・東北福祉大に出場権を譲るかたちとなっていた。久々の大舞台、新たな歴史を刻むことはできるか。

 最大の長所は打撃力。今春リーグ戦は7人が3割を超える打率をマークし、1試合平均8.08点、チーム打率.314を記録した。1番・川島 優外野手(4年=山村学園)、2番・小田倉 啓介内野手(3年=霞ヶ浦)、3番・辻本 倫太郎内野手(4年=北海)の上位打線はリーグ戦を通して不動。打率.400、20盗塁で首位打者と盗塁王の二冠に輝いた川島がバットと足で好機をつくり、つなぐ打撃とパンチ力、勝負強さを兼ね備える小田倉、辻本が続くことで打線が一気に活気づく。

 また終盤、下位打線に入った伊藤 颯内野手(3年=鶴岡東)、坂口 雅哉捕手(4年=八王子)、鹿野 航生内野手(4年=日大山形)は3人で計33打点をマーク。上位、下位関係なくどこからでも得点できるのが打線の強みだ。MVPを獲得した平野 裕亮外野手(3年=山村学園)、攻守にわたって貢献度の高い菅原 礼央内野手(4年=旭川大高)、チーム随一の長打力を持つ三原 力亞外野手(4年=聖光学院)らも、どの打順を任されても実力を発揮できるほどの経験値がある。

 投手陣は先発投手の出来が勝敗の行方を左右する。今春7試合に先発したルーキー右腕・佐藤 幻瑛投手(1年=柏木農)が実質エース。最速149キロの直球を武器に試合をつくることができ、自身初となる全国のマウンドでどんな投球を見せるか、注目が集まる。制球力と変化球の精度が光る左腕・南 勝樹投手(3年=白鴎大足利)、150キロ前後の直球を持つ長身右腕・相原 雄太投手(3年=伊奈学園)は先発も中継ぎもこなせる貴重な二枚だ。

 中継ぎ陣は球威、変化球、スタミナのすべてで高いレベルを誇る右腕・ジャクソン 海投手(4年=エピングボーイズ)、左キラーの変則左腕・樫本 旺亮投手(2年=淡路三原)が左右の中心。他にもケガから復帰した右腕・川和田 悠太投手(4年=八千代松陰)を筆頭に十分なポテンシャルと実績を兼ね備えたメンバーが控えている。先発陣の盤石ぶりは昨年に劣るものの、勝利を呼び込む投球を期待できる投手が多数いることには変わりない。

 直近2年は秋の明治神宮大会に出場するもいずれも初戦敗退。全国の舞台で悔しさを味わっている選手も多いだけに、まずは待望の1勝を手にして波に乗りたい。

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