4点リードを追いつかれた半田だったが、7回に突き放してそのまま丹羽に逃げ切り
7回に勝ち越し打を放った半田・佐々木君
<第135回全尾張高校野球大会:半田7-4丹羽>◇27日◇1回戦◇阿久比スポーツ村
尾張地区と知多地区の公立校同士の対戦となった試合。
どちらも今春の県大会にも進出を果たしているが、半田は初戦で名東をサヨナラで下して、2回戦では同地区の大府に競り負けたが、派手さはなくても着実に戦えるチームになっている。石黒薫監督は、「前年に比べると、スケールは小さいけれども、皆がコツコツと一生懸命練習してきているので、新チームのスタート当初からは、かなり成長している」と目を細めている。そんな勢いをこの大会でも示してほしいところだ。
丹羽は、県大会は初戦で岡崎工科に敗退したが、そこから立て直して全尾張の尾張地区予選を勝ち上がっての出場である。この大会で少しでもいい成績を残して、夏へ向けて弾みをつけていきたいところでもあろう。
半田は打っても1番に入っている背番号9で主将でもある千葉投手、丹羽は1番を背負う上西投手が先発。ともにいい立ち上がりで初回は三者凡退とする。こうして、序盤の3イニングは0に抑えていく。
試合が動き出したのは4回からで、まず半田が失策とバント安打と盗塁などで1死二、三塁とする。ここで、5番荒木がしぶとく一、二塁間を破って先制打となる。さらに久村も左前打で2人がかえり3点目が入る。なおも2死三塁で、完全に打ち取ったと思ったところで、丹羽に大悪送球が出てしまい、この回4点が入った。
しかし、丹羽もその裏、四死球後、5番・伊藤以下、天野、岩井と3連打で2点を返す。さらに6回にも丹羽は1死一、二塁から代打・野元以下、星野、1番・鈴木啓介と、またしても3連打で2点を奪い同点とした。半田は、ここで千葉投手をセンターに下げて、レフトから1番をつけた左腕・石原投手をマウンドに挙げる。石原投手は上手に打たせていく投球で後続を打ち取り丹羽の反撃を同点止まりで抑える。
そして7回、代打が出たこともあってこの回から丹羽の服部優大監督は2人目としてマウンドに梶投手を送り出した。その梶投手に対して半田は、1死後に四球と千葉の二塁打で1死二、三塁として、2番佐々木の右前打で勝ち越す。さらには新美、中村と中軸も続いて追加点を挙げてなおも2死満塁。ここで、四球が出て半田はこの回3点を挙げた。
結局、このリードを石原投手が守り切る形で半田が逃げ切った。
半田の石黒監督は、「今のところは、この形の継投が一番安定したいい形でしょうね。試合展開としては、追いつかれた直後にすぐにまたリードできたこともよかった。選手たちも、(新チームがスタートした)最初はどうなるのかなあというところもありましたけれども、こうやって試合を重ねていくことで、経験を積んで少しずつ上手くなっていっています。選手たちも、いろんな形で起用されることで、自分のできること、能力や役割がわかってきているのではないでしょうか」と、夏へ向けて、いい感触を得ていた。
それに、前の試合で大府が敗れ、小牧市民球場では半田東も敗れており、ここで半田が敗れると、準決勝が全尾張大会というか、尾張地区大会になってしまうところだったので、知多地区の半田が何とか残ったことで、それを阻止できたことも大きかった。
(取材=手束仁)