智辯学園vs天理
智辯学園が2年ぶりの優勝!天理との頂上決戦を制す

藤田 健人(智辯学園)
<春季高校野球奈良県大会:智辯学園8ー4天理>◇13日◇決勝◇佐藤薬品スタジアム
智辯学園が天理とのライバル対決を制して2年ぶり17度目の優勝を果たした。
試合は序盤からシーソーゲームとなる。1回に1死三塁から3番・松本 大輝外野手(3年)の左前適時打で智辯学園が先制すると、その裏に天理は2番・赤埴 克樹捕手(3年)の右翼へのソロ本塁打で同点に追いつく。
3回、智辯学園は1死一、二塁から4番・中山 優月内野手(3年)が詰まりながらも中前に落ちる適時打で再び勝ち越すが、その裏に2死二塁から4番・松本 大和内野手(2年)の中前適時打でまたしても追いつく。
7回には無死三塁から2番・山崎 漣音内野手(3年)の中犠飛で智辯学園が三度勝ち越しに成功。その裏の天理は1死一、二塁から1番・下林 勇希内野手(3年)が三塁ゴロに打ち取られ、5-4-3の併殺が成立すると思われたが、二塁手の山﨑が一塁に悪送球。その間に二塁走者が生還してまたしても同点となった。さらに2死二塁から赤埴克が左前適時打を放ち、天理がこの試合で初めてリードを奪った。
天理は7回に先発の麻田 悠介投手(2年)に代打を送った影響で8回から嶋川 雄大投手(3年)が登板。しかし、制球が定まらずに2四死球などで無死満塁と智辯学園が逆転のチャンスを作る。ここで打席に立つのは粘りの投球を見せてきた9番の藤田 健人投手(3年)。「真っすぐが絶対に来る」と小坂将商監督から指示を受けていた藤田はその通りに2球目の直球を右前に運ぶと、右翼手の大谷 汰一外野手(2年)が後逸。この間に3人が生還して、智辯学園が逆転に成功した。
その後も智辯学園は追加点を奪うと、藤田は最後まで投げ抜き4失点完投。智辯学園が天理との頂上決戦を制した。
「今日は藤田に勝たせてあげたいという気持ちがありました。選手全員が一つになった結果が優勝に繋がったと思います」と話した小坂監督。昨秋は準決勝で天理に敗れて近畿大会出場を逃してしまったが、そのリベンジを果たす結果となった。
優勝したことで近畿大会の出場権も手にしたことになる。「まだまだのチームなので、しっかり鍛えて、恥のないように奈良県代表としてやりたいと思います」と小坂監督は次なる戦いに向けて気を引き締めていた。
(記事=馬場 遼)