常総学院vs常磐大高
常総学院、強力な投手陣で逆転勝ちを呼び込み、2年ぶりの関東大会出場!

ガッツポーズの常総学院・諸星蒼空投手
<春季高校野球茨城県大会:常総学院6-5常磐大高>◇3日◇準決勝◇J:COMスタジアム土浦
2年ぶりの春季関東大会出場を狙う常総学院と、2季連続の関東大会出場を狙う常磐大高の一戦は、終盤までもつれる展開となった。
常磐大高は3回、無死満塁から併殺の間に1点を先制。5回、常総学院の2番手・中林 永遠投手(3年)の直球をしっかりと弾き返し、集中打で一気に4点を入れて、5対0と差を広げる。
常磐大高が主導権を握ったかに見えたが、常総学院は好投手が登場した。6回から3番手としてマウンドに登ったのは小林 芯汰投手(2年)。それほど上背があるわけではないが、全身をうまく使い、軸足にしっかりと体重を乗せて、真上から振り下ろす投球フォームから繰り出される直球は、球場では130キロ後半〜145キロをマーク。そして編集部のスピードガンでも常時130キロ後半〜143キロをマークするなど、速球の勢いは本物。さらに120キロ後半の縦横のスライダーの切れ味も良く、完成度も高い。先発が崩れてもリリーフに頼もしい投手が控えるあたり、常総学院の投手陣の層は厚いと言わざるを得ない。
リリーフが安定すると、打線にも勢いが出る。7回、3番・川上 大宝外野手(3年)、4番・武田 勇哉内野手(2年)の適時打で2対5と3点差に。常総学院の島田監督は「6点目を与えないこと。そして1点ずつ返していけば、相手にも焦りが生まれる」と語るように、8回、常磐大高の守備が一気に乱れ、同点に追いつき、川上の適時打で勝ち越しに成功した。
8回からリリーフしている諸星 蒼空投手(3年)も好リリーフを見せた。体全体を使った躍動感ある投球フォームは鈴木 昭汰投手(ロッテ)の常総学院時代を思い出させた。球場のスピードガンでは144キロ、編集部のスピードガンでも137キロ〜140キロを連発するなど球威は本物。常磐大高を破り、決勝進出を決めた。
常総学院の澤田 一徹主将(3年)は「全員で勝ち取った勝利です。決勝打を打った選手たちや好投した投手陣を褒めたいです。去年、県の準決勝で負けてから、厳しい練習をしてきました。その成果がこの試合に出たと思います」とレギュラーメンバーをたたえた。
島田監督は「3年生はしっかりしていますが、試合に出ている2年生が緊張のあまりミスもあった。それを糧にして頑張ってほしい」とエールを送り、関東大会については「頂点を狙います」と意気込んだ。
復活の傾向が見えた常総学院。土壇場での強さを発揮して逆転勝利したのは近年の常総学院にはない。
関東大会でも躍進が期待できそうだ。
(取材=河嶋 宗一)