東海大菅生vs明秀日立
東海大菅生、大会屈指右腕が147キロをマーク。明秀日立を下し、投打ともに仕上がりは上々

日當直喜投手(東海大菅生)
<練習試合:東海大菅生5-2明秀日立>◇11日
今センバツの組み合わせが決まり、東海大菅生(東京)は徳島城東(徳島)との対戦が決まった。抽選会後の練習試合として、東海大菅生は強豪・明秀日立(茨城)と対戦し、5対2で勝利を収めた。
注目右腕に挙がる日當 直喜(ひなた)投手(3年)は、2月の練習で150キロをマークするなど昨秋から伸びて、練習試合でも仕上がりは良好だった。立ち上がりからコンスタントに140キロ台をマーク。2回には最速147キロをマークした。130キロを超える高速フォーク、落差が大きいフォークを使い分け、130キロを超えるスライダー、カーブと変化球の精度も高く、器用な点も見逃せない。
5回裏に犠牲フライで1点を失うが、力を入れた時はいつでも140キロ台が投げられて、フォークでも内野ゴロに打たせることができる。制球も安定して、強力打線の明秀日立も対応に苦労していた。5回を投げ1失点。日當は「まず5回を投げることができてよかったです。コントロール重視でしたが、直球の状態は良かったです。まだ修正するところはあるので、もっと良くなると思っています」と直球の走りに手応えを感じていた。また変化球については「この日はフォークが最も良かったです。自分は速いフォークと落差が大きいフォークがありますが、速いフォークで内野ゴロ併殺に打ち取ることができてよかったです」とピンチの場面で併殺に打ち取ったことについても収穫を挙げた。
初戦は徳島城東に決まったが、「勢いもあって、機動力も使えるチームですので、投内連携などを見直し、最大限の準備をしていきたいです」と意気込んだ。能力的には大会屈指右腕にも挙がる専大松戸(千葉)の平野 大地投手(3年)にひけをとらなかった。
打線では3番に入った酒井 駿輔外野手(3年)が本塁打を打つなど、後半に明秀日立の145キロ右腕・近藤 悠人投手(3年)から5得点を奪い、勝利を手にした。
1次登録の島袋 俐輝投手(3年)、松ヶ野 寛太投手(3年)、宮本 恭佑投手(2年)が登板し持ち味を発揮した。
投打とも仕上がりがいい東海大菅生。果たしてどこまで状態を高めて本戦に入ることができるか注目だ。
(取材=河嶋 宗一)
[page_break:東海大菅生に接戦を演じた明秀日立も、145キロ右腕、大型外野手などタレント揃い!今年も関東大会を狙える!]東海大菅生に接戦を演じた明秀日立も、145キロ右腕、大型外野手などタレント揃い!今年も関東大会を狙える!

近藤悠人投手(明秀日立)
<練習試合:東海大菅生5-2明秀日立>◇11日
東海大菅生(東京)と対戦した明秀日立(茨城)だが、昨年秋、県大会で敗退したチームとは思えないほどレベルが高かった。
エース右腕の145キロ右腕・近藤 悠人投手(3年)は前チームからエース格として期待されていた。ガッシリとした体格で、走者がいない場面でもセットポジションから始動し、躍動感のある投球フォームから投げ込む。真上から振り下ろす直球は常時135キロ〜142キロをマーク。その速球の威力は茨城県内でも上位に入る。130キロ前半の高速変化球の切れ味は一級品で、カットボールと思っていたが、本人によるとスイーパーという球種。MLBでも流行りを見せているスライダー系の一種だ。
東海大菅生の打者陣も対応に苦労していた。スイーパー以外の変化球の精度も高く、1年前の県大会での投球と比べると、大きく成長を見せたといえる。
ただ、気になったのは、やや押し出すような投げ方になり、リリースポイントが安定しないイニングが見られた。「棒球になってしまうところがあるので、いかに自分のフォームで投げられるかということを意識しました」と近藤。
能力が高いことは証明した。4月の県大会で目覚ましい投球を期待したい。
また、前チームからレギュラーで活躍した平野は日當 直喜投手からも2安打を記録。速球、変化球に対してもしっかりとついていくなど、対応力は高い。
また3番柴 晴蒼内野手(3年)、4番嶋谷 隼人外野手(3年)、5番後藤 佑介外野手(3年)のクリーンアップには迫力があった。嶋谷は185センチ、90キロと期待の大型外野手。パワフルなスイングには今後も注目したい。
強肩捕手の福田 敦也捕手(3年)も、二盗を刺すなど素質は高い。十分に関東大会を狙える実力を持ったチームだろう。今年の明秀日立も楽しみだ。
(取材=河嶋 宗一)