高校時代公式戦登板なしの155キロ右腕が全国デビュー!
平成国際大・冨士 隼斗(3年=大宮東)
<大学代表候補合宿紅白戦:白組5-1紅組>◇3日◇坊ちゃんスタジアム
2023年7月・米国で4年ぶりに開催される予定の「第44回日米大学野球選手権大会」に参加する侍ジャパン大学代表を選出する第1歩として、44選手が集い愛媛県松山市の坊っちゃんスタジアムで3日間の日程で開催中の代表候補合宿。2日目は2試合の7イニングス制紅白戦を行い、午前中の紅白戦ではこの合宿一番とも言えるどよめきが沸き上がった。
その発信源は7回表裏に登板した平成国際大の右腕・冨士 隼斗投手(3年=大宮東)である。大宮東(埼玉)時代は最速138キロで、ケガが多く公式戦登板は果たせないままに終わったものの、大学入学後から「全身を使ったフォームに取り組み、キャッチボールから全力で投げることに心掛けている」と球速が一気に向上。この日も自己最速タイに並ぶ155キロを筆頭に常時150キロ前後の直球で2奪三振。「自信のある球で抑えられてよかった」と本人も納得の表情だった。
一方で、100%直球に張ってタイミングを合わせていた第30回 ハーレムベースボールウィーク2022経験者の慶応義塾大・廣瀬 隆太内野手(3年=慶應義塾高)から151キロ直球を左中間最深部にたたきき込まれる手痛い洗礼も浴びた冨士。「ストレートだけでは打たれてしまう」ことを身をもって知った剛腕は、春までに「勝てる投手になる」誓いを実践し、今度はチームとしての全国デビューを目指し右腕を振る。
(取材=寺下 友徳)